第127問の解答
1.問題 [整数の性質]
4桁の整数が2つあります。 1●▲3 と3●▲7 です。 この2つの整数の最大公約数が できるだけ大きくなるように、●、▲を決めて下さい。
2.解答例1(長野 美光さん、武田 浩紀さん、わかさひ君、柚奇 神太郎さん、他多数)
p=3●▲7、q=1●▲3とします。
pとqの公約数をdとおくと、p=a×d、q=b×dと書けます。p−q=2004=(a−b)×dとなるので、dは2004の約数になります。
2004=4×3×167と因数分解できます。ところが、p、qは奇数なので、dも奇数。従って、d=3、167、3×167が考えられます。d=3×167が答と推測できますが、ここでは、それも含めてd=167としてみましょう。
3000<a×167<4000、1000<b×167<2000より、18≦a≦23、6≦b≦11となります。
ここで、167は素数なので、下一桁に注目してみましょう。n=0から9までと7を掛けて得られる数の下一桁は次のとおりです。
これから、条件に該当するものは、a=21、b=9のみです。
このとき、p=21×167=3507、q=9×167=1503となり、題意を満たします。なお、a=21、b=9は3を約数に持ちますので、やはり最大公約数で最も大きなものは、3×167=501と分かります。答:● =5、 ▲=0
以上
3.解答例2(MapleVによる計算、中村明海さん、清川 育男さん)
中村明海さんが出された参考問題(p=9 ●▲ 8、q= 3 ●▲ 2)の場合は、差をとるとp−q=6006 = 2×3×7×11×13と32個も約数があります。
今回の問題と違って、場合の数が多いので、このようなときは、コンピュータに計算させたほうが早いでしょう。(MapleVでの計算例)
> p_gc:=proc(pval,qval)
local ii,i,ival,igcval;
igcval:=0:
for i from 0 to 99 do
ii:=igcd(pval+i*10,qval+i*10):
if ii > igcval then ival:=i:igcval:=ii
fi
od:
RETURN(ival,igcval):
end:
> p_gc(1003,3007);
50,501
> p_gc(9008,3002);
43,858
>(注)igcd:最大公約数
これから、今回の問題の答は、●=5、 ▲=0、最大公約数501、中村明海さんの問題の答は、 ●=4、 ▲=3、最大公約数858となります。
以上