第143問の解答
1.問題 [整数の性質]
ある4ケタの整数 Aがあります。
この4ケタの整数 Aの各位の数字を、大きい順に入れかえた数字をX、小さい順に入れか
えた数字をYとします。すると、
X−Y=A
となったそうです。(※)では、この4ケタの整数 Aはいくつだったでしょうか。
2.解答例1(kuri)
X=abcd、Y=dcba、A=pqrsとし、簡単のためにa>b>c>dとします。
X−Y=Aより、s=d−a+10、r=c−1−b+10=c−b+9、q=b−1−c、p=a−dとなります。
題意より、p、q、r、sはa、b、c、dを並び替えたものであるが、
a−p=d>0よりa>p
p−q=(a−b)+(c−d)+1>0よりp>q、
r−s=(a−b)+(c−d)−1>0よりr>s従って、p=b、q=c、r=a、s=d・・・(1)
p=b、q=d、r=a、s=c・・・(2)
p=c、q=d、r=a、s=b・・・(3)
のいずれかである。
(1)のとき:
a−d=b、b−c−1=c、c−b+9=a、d−a+10=dより
a=10、b=−3、c=−2、d=13(2)のとき:
a−d=b、b−c−1=d、c−b+9=a、d−a+10=cより
a=7、b=6、c=4、d=1(3)のとき:
a−d=c、b−c−1=d、c−b+9=a、d−a+10=bより
a=17/3、b=20/3、c=10/3、d=7/3このうち題意を満たすのは、(2)のときのみである。
このとき、A=bdac=6174となる。答:6174
(補足)数字に等しいものがあるときの考察
上記では、簡単のためにa>b>c>dとしましたが、a≧b≧c≧dとして考えます。
もし、a=dとすると、a=b=c=dとなり、A=X−Y=0となるので、題意に適しません。
よって、a>d。すなわち、1の位の計算では必ず、小さい数から大の数を引くことになるので、上記通りs=d−a+10となる。
すると、10位の計算では、(c−1)からbを引くことになり、(c-1)-b=c-(b+1)<0より、これも小さい数から大の数を引くことになるので、上記通りr=c−1−b+10=c−b+9。
次に、100位の計算では、(b−1)からcを引くことになり、b>cならb−1≧cなので、上記通りq=b−1−c、p=a−dとなる。
もし、b=cならb−1<cとなり、小さい数から大の数を引くことになるので、q=b−1−c+10=9、p=a−1−dとなる。
このとき、r=c−b+9=9となるので、数字の中に少なくとも2つは9が含まれるので、a=b=9でなければならない。よって、c=b=9となる。
すると、s=d−a+10=d+1>dより、d+1=9、d=8となる。
以上から、a>d、b=cのときは、X=9998、Y=8999、A=9998−8999=0999となり、これも題意に適しません。
よって、この問題については、解は上記X=7641、Y=1467、A=7641−1647=6174の一通りしかないことが分かります。
以上