第5問の解答
問題 [整数の性質]
ある所に長老と呼ばれる人物がいたという。
長老は200歳を越える大変な長生きで知られていたが、あるとき村の若者に『あなたはいったいおいくつなのですか。』
と聞かれ、次のように答えたという。
『わしの年齢か。まあ、いくらわしでも500歳はいっとらんのぉ。
そいから、わしの年齢に13を足すとちょうど31で割り切れるな。
それと、31を足したらは13で割り切れるぞい。』
それを聞いた若者は、長老の年齢を見抜いたという。
さて、この長老は何歳であったか。
解答例(マサルさん)
問題文から、長老の年齢は
200歳より大きく、500歳未満である。
13を足すと31の倍数になる。
31を足すと13の倍数になる。
という3つの条件が浮かび上がってきます。
そこで、2.と3.に注目してみると、
2.より
13を足すと31の倍数になるのだから、さらに31を足して合計44を足しても31の倍数になる。
3.より
同様に、31を足すと13の倍数になるのだから、44を足しても13の倍数になる。
ということがわかります。これを利用すると、長老の年齢は、44を足すと13でも31でも割り切れる数になる、ということがわかる
のです。ですから、まず13でも31でも割り切れる数を求めると、
13×31=403(13と31の最小公倍数)
となり、これが長老の年齢に44を加えた数だから、長老の年齢は、
403-44=359
と求まります。答: 359歳
以上
(参考)式で考える
長老の年齢をnとします。
題意より、p、qが存在して
200<n<500 ・・・ (1)
n+13=31p ・・・ (2)
n+31=13q ・・・ (3)(2)の両辺に31を加えると、
n+44=31(p+1) ・・・ (2)’(3)の両辺に13を加えると、
n+44=13(q+1) ・・・ (2)’(2)’、(3)’より、
n+44=31(p+1)=13(q+1)
よって、n+44は、31および13の倍数となるので、
n+44=31・13m=403m
と書けます。(1)を満たすmは、m=1のみ。
よって、n=403-44=359