第205問の解答
1.問題 [平面図形]
左図のような9角形ABCDEFGHIがあります。
AIとBC、DCとEF、GFとHIが平行、角BCD、角EFG、角HIAは120゜になっています。
また、図の赤の辺と青の辺の長さの比はちょうど1:2になっています。
いま、IとG、AとHをそれぞれ結んだところ、線分IGと線分AHも平行であったそうです。
では、9角形ABCDEFGHIの面積は、赤の辺(例えば辺AB)を一辺とする正三角形の何倍あるでしょうか。
2.解答例1(AЯOTさん、香川仁志さん、mitchさん、うっしーさん、他)
三角形AIHを折り返した三角形をARHとします。同様に、BPD、EQGを作ります。
図1
図2
このとき、APDQGRが正六角形となることを示します。
三角形HIGは、HI=HGの二等辺三角形だから∠HIG=∠HGI。
この角をαとおきます。AHとIGが平行なことから、∠AHI=∠HIG=α。
△ARHと△AIHは合同だから、∠RHA=∠AHI=α。∠RHA+∠AHI+∠IHG=2α+∠IHG=180°(△HIGの内角の和)
よって、G、H、Rは一直線上に並ぶことが分かります。また、HIの長さを1とすると、GR=RA=2、∠ARH=∠AIH=120°。
さて、∠IAH=βとすると、∠RAH=β。
IHとFGが平行より、∠HIG=∠IGF=α。対象性より、∠BAI=∠HGF=2α。
よって、∠BAR=∠BAI+∠IAR
=2α+2β=2(α+β)
=2(∠IAH+∠IHA)=2(180°−∠AIH)
=2(180−120)=120°。同様にして、APDQGRの各辺の長さが2、頂点の内角が120度となることが分かるので、APDQGRは正六角形となります。
一辺が1の正三角形の面積=Sとおきます。
正六角形APDQGRは、一辺が2の正三角形6個に分割されるので、面積は4S×6=24Sとなります。また、図2のようにAIの延長線上にIA'=1となるよう点A'をとると、
HI=IA'=1、∠HIA'=60°より、△HIA'は一辺が1の正三角形。
△AIHと△HIA'は、高さが共通で底辺の長さが2:1。
よって、△AIH=2×△HIA'=2S。したがって、求める9角形ABCDEFGHIの面積=24S−2S×6=12S。
答:12倍
以上
3.解答例2(中村明海さん、他)
三角形AIHを折り返した三角形をARHとします。同様に、BPD、EQGを作ります。
対象性から、ADGは正三角形と考えられる。
また、△AIG=△HIG等から、9角形ABCDEFGHIの面積=△ADGとなります。∠AHI=∠HIG=α、∠IAH=βとします。
△AIHについて、余弦定理より、
AH2=AI2+IH2−2×AH×IH×cos120°
=22+12−2×2×1×1/2
=7
よって、AH=√7。
また、正弦定理より、
AH/sin120°=AI/sinα=IH/sinβ、
sinα=AI/AH×sin120°
=2/√7×√3/2=√3/√7。
cosα=√(1−sin2α)=2/√7。
sinβ=sinα×IH/AI=√3/2√7。
cosβ=√(1−sin2β)=5/2√7。IG=IH×cosα×2=1×2/√7×2=4/√7。
△AIGについて、余弦定理より、
AG2=AI2+IG2−2×AI×IG×cos(120+α)
=22+(4/√7)2−2×2×4/√7×cos(180−β)
=4+16/7+16/√7×5/2√7
=12。従って、9角形ABCDEFGHIの面積=AG2×S=12S。
答:12倍
4.解答例3
解答例2と同様にして、
sinα=√3/√7、cosα=2/√7を得る。
IGの中点をMとすると、
HM=sinα、IG=2×IM=2×cosα。
よって、IG=FG×cosαとなるので、∠GIFは直角となる。
IF=FG×sinα=2×sinα。さて、対象性より四角形ABCI、GHIF、DEFCは合同で、△CFIは正三角形と考えられる。
△HIMと△HMGは合同、△FIGはこれらと合同で相似比=1:2。
S1=四角形ABCI
=△HIM×(2+4)
=1/2×cosα×sinα×6
=2/√7×√3/√7×3
=6/7×√3S=1/2×1×√3/2=√3/4より、
S1/S=(6/7×√3)/(√3/4)=24/7IF=2sinαより、
S2=△CFI
=(2sinα)2×S
=4×3/7×Sよって、9角形ABCDEFGHIの面積
=S1×3+S2
=24/7×3+12/7×S
=12×S答:12倍