第208問の解答
1.問題 [平面図形]
左図のような、角BACの大きさが90度よりも大きい三角形ABCがあります。
この三角形の辺BC上に、角BAD=90度となるような点Dと、角CAD=角DAEとなるような点Eをとったところ、三角形CADの面積は5cm2、三角形DAEの面積は3cm2となりました。
このとき、三角形ABEの面積は何cm2でしょうか。
2.解答例1(長野美光さん、トトロ@Nさん、ταροさん、AЯOTさん、むらかみさん、他多数)
ADを軸として、△ACDを折り返し△AFDとする。
点Cと点Fを結び、辺CFと辺ADの延長線の交点をGとする。△AFD=△ACD=5cm2、
△EFD=△AFD−△AED=5−3=2cm2。△AEDと△EFDは、高さが共通だから、面積の比は、底辺の比に等しい。
よって、AE:EF=△AED:△EFD=3:2。△AFGと△ACGは、AF=AC、AG共通、∠FAG=∠CAGより合同。
よって、FC⊥AG。AB⊥AGだから、AB//CF。
よって、∠BAF=∠AFC(錯角)。△ABEと△FCEについて、
∠BAE=∠AEC、∠AEB=∠FECより、△ABE∽△FCE。
よって、BE:EC=AE:EF=3:2。△ABEと△AECは、高さが共通だから面積比は底辺の比に等しい。
よって、△ABE:△AEC=AE:EF=3:2。
従って、△ABE=△AEC×3/2=8×3/2=12cm2。答:12cm2
以上
3.解答例2(うっしーさん、やさん、清川育男さん、なおぞうさん、他)
点Eを通り、ADに平行な直線と、CAの延長との交点をFとする。
AD//FEより、∠DAE=∠AEF(錯角) 、∠CAD=∠AFE(同位角)、
題意より∠DAE=∠CAD。
よっって、∠AEF=∠AFE 。
よって、△AEFは二等辺三角形。AE=AF 。解答例と同様にして、AE:AC=△AED:△ACD=3:5。
AE=AFより、AF:AC=3:5。△FEC:△AEC=FC:AC=8:5。
よって、△AFE:△AEC=3:5。
従って、△AFE=△AEC×3/5=8×3/5=24/5cm2。FE//ADでAB⊥ADより、AB⊥FE。
ABとEFとの交点をGとする。
△AEG=△AFE×1/2=12/5cm2。△AEGと△AEDの高さはAGで共通だから、
EG:AD=△AEG:△AED=12/5:3=4:5。
FE//ADより、BE:BD=GE:AD=4:5、
よって、BE:ED=4:1となる。△ABE:△AED=BE:ED=4:1、
よって、△ABE=△AED×4=3×4=12cm2となる。
4.解答例3(げんさん、他)
点Cから辺EAに平行な直線を引き、BAとの延長との交点をFとし、
点CからADに平行な直線を引き、BFとの交点をGとする。
∠AFC=∠BAE(同位角)、∠CAF=90−∠CAD=90−∠EAD=∠BAE。
よって、∠AFC=∠CAFとなり、△CAFはCA=CF の二等辺三角形となる。AE:FC=AE:AC=△AED:△ADC=3:5。
AE//FCより、BE:BC=AE:FC=3:5。
よって、BE:EC=3:2。従って、△ABE=△AEC×3/2=8×3/2=12cm2。
5.解答例4(中村明海さん、他)
AB上にAC//FEとなるようにFをとる。
解答例3と同様にして、FE=AE。
AE:AC=△AED:△ADC=3:5。FE//ACより、BE:BC=FE:AC=AE:AC=3:5、
よって、BE:BC=3:2。
△ABE=△AEC×3/2=8×3/2=12cm2。
6.解答例5(井合宗太郎さん、ハラギャーテイさん、他)
△ABDの外接円(円1)を考えると、∠BAD=90度より、BDは円1の直径になる。
また、線分ECに関するアポロニウスの円で、比が3:5になるものを円2とする。
ED:DC=EA:AC=3:5なのでA、Dは円2の円周上にある。また、CEの延長線上にEB':B'C=3:5となる点B'をとると、
B'も円2の円周上で、B’Dは、円2の直径となる。すると、AはB'Dを直径とする円(円2)の円周上にあることになるので、∠B'AD=90度となる。
BもB’もECの延長線上にあり、かつ∠BAD=∠B'ADだからBとB'は一致する。よって、BE:BC=3:5、BE:EC=3:2、
従って、△ABE:△AEC=BE:EC=3:2。
これより、△ABE=△AEC×3/2=8×3/2=12cm2。
(参考)アポロニウスの円(M.Hossieさんによる)
A からの距離と、 B からの距離の比が m : n (但し、m ≠ n) になる点 P の軌跡は、
線分 AB を m : n に内分、及び外分する点を直径の両端とする円を描く。
これを、アポロニウスの円といいます。(証明)A、Bの中点を原点とし、ABの延長線をx軸とする座標系で考える。