第209問の解答
1.問題 [立体図形]
左図のような正四面体ABCDがあります。この正四面体を、
・ABを含み、四面体ABCDの体積を二等分する平面
・BCを含み、四面体ABCDの体積を二等分する平面
・CAを含み、四面体ABCDの体積を二等分する平面
の3つの平面で切断します。(3回の切断が終わるまで、立体は動かないものとします)このとき、
・正四面体は何個の立体に分割されるでしょうか?
・また、分割後の立体を体積を同じ大きさのものはひとつのグループ
にして比較すると、最も大きいグループと2番目に大きいグループ
に属する立体の体積比は何:何になるでしょう。
2.解答例1(マサルさん、香川仁志さん、他)
切断面が見えやすいよう、正四面体ABCDの各面を透過してみると下図のようになります。
まず、1回の切断で2つの立体に分割されるため、3回の切断では、23=8個の立体に分割されます。
これら8個の立体はよく見ると4つのタイプに分類されます。
(タイプ1、タイプ2をそれぞれ3等分)タイプ1:
△ABCと中心Oを結んでできる正三角錐。
体積は、正四面体の1/4。タイプ2:
3等分するとタイプ4と同じ四角錐になる。
体積は、正四面体の1/4。
タイプ3:
タイプ1を3等分したものと同じ三角錐。
体積は、正四面体の1/12。
タイプ4:
四角錐で、縦に切断して2等分すると、タイプ3を2等分したものと同じ大きさの三角錐になる。
体積は、正四面体の1/12。よって、体積の大きさで分けると、
・タイプ1、タイプ2:正四面体の1/4 (合計2個)
・タイプ3、タイプ4:正四面体の1/12(合計6個)
となります。
よって、求める体積比は、1/4:1/12=3:1になります。答:8個、3:1
以上
3.解答例2(うっしーさん、他)
平面ABEで2等分してできる、2つの三角錐C-BEA、A-BEDについて、それぞれを構成する4つの立体の体積比を求めましょう。
図5
図6
図5で、三角錐C-BEAの分割した4つの立体は、Cを頂点とする高さが共通なので、体積比は底面の面積比に等しい。
BH:HE=2:1より、△ABH:△AHE=2:1。・・・(1)
AO:OH=3:1より、△ABO:△OBH=3:1。・・・(2)
AO:OH=3:1、AI:IE=2:1より、
△AOI/△AHE=3/4×2/3=1/2。
よって、△AOI:四角形IOHE=1:1。・・・(3)(1)、(2)、(3)より、
△ABO:△OBH:△AOI:四角形IOHE=3:1:1:1。
従って、4つの立体の体積も3:1:1:1。・・・(4)図6で、まず三角錐A-BEDを平面AHFで四角錐A-EDFH、三角錐A-HFBに分割する。
高さが共通だから、体積比は底面の面積比に等しい。
DF:FB=1:1、EH:HB=2:1より、
△BHF/△BED=2/3×1/2=1/3、
よって、四角錐A-EDFH:三角錐A-HFB=2:1。・・・(5)三角錐A-HFBを底面がAHFで頂点がBの三角錐とみると、これを平面BOJで分割してできる立体の体積比は、底面の比に等しい。
AO:OH=3:1、AJ:JF=2:1より、
△AOJ/△AHF=3/4×2/3=1/2。
よって、△AOJ:四角形JOHF=1:1。
従って、三角錐B-AOJ:四角錐B-JOHF=1:1。・・・(6)同様に、三角錐B-AIKを平面AOJで分割してできる立体の体積比は、底面の比に等しい。
BO:OI=3:1、BJ:JK=2:1より、
△BOJ/△BIK=3/4×2/3=1/2。
よって、△BOJ:四角形JOKI=1:1。
従って、三角錐B-AOJ:四角錐A-JOKI=1:1。・・・(7)(5)、(6)、(7)より、
6面体JOKI−JOHF:四角錐B-JOHF=3:1。
従って、4つの立体の体積比も3:1:1:1。・・・(8)(4)、(8)、および2つの三角錐C-BEAとA-BEDの体積は等しいことから、
結局8つの立体は、体積3のものが2個、体積1のものが6個となる。よって、求める立体の個数、体積比は8個、および3:1となる。