第224問の解答
1.問題 [場合の数]
1から32までの整数が書いたカードが1枚ずつ、計32枚あります。
この計32枚のカードの中から3枚を同時に取り出すとき、互いの数の差が2以上になるような取り出し方
は何通りあるでしょうか。
2.解答例1(ヒデー王子さん、高橋道広さん、noetherさん、他)
・カード枚数がnで、差が2以上の場合・・・(A)
・カード枚数がn−2で、差が2以上でなくても良い場合・・・(B)
の2通りの取り出し方を考えます。(A)で取り出したときの数字を小さい順にa、b、cとします。
このとき、a、b−1、c−2はa<b−1<c−2となるので、(B)の場合の1つの取り出し方になります。逆に、(B)で取り出したときの数字を小さい順にx、y、zとします。
このとき、x、y+1、z+2は差が2以上あるので(A)の場合の1つの取り出し方になります。以上から、(A)と(B)の取り出し方の数は等しいことになります。
(B)では、
n−2C3=(n−2)(n−3)(n−4)/3・2・1
=30・29・28/6=4060通り。従って、(A)も4060通りになります。
答:4060通り
3.解答例2(ふぇるまーさん、H.Takaiさん、すうぱあさん、M.Hossieさん、N.Nishiさん、せんださん、mhayashiさん、他多数)
n個のカードから3枚選ぶ組み合わせの数は、nC3で得られます。
この中には、選んだカードの数字の差が1以下の場合がありますので、これを除くことにします。
差が1以下のものがあるときは、数字が連続した2枚のカードを1組と、それ以外の1枚のカードを選ぶことになります。
これは、n−1個のものから2個選ぶことと同じになりますが、選んだ2個を入れ替えたものは異なる場合になりますので、組み合わせの数は2×n-1C2になります。
この中には、3枚連続したカードを選ぶことが含まれますが、2個のものと1個のものを入れ替えたもので重複して数えることになりますので、今度はこの分、すなわちn−2個のものから1個選ぶn-2C1にだけ加える必要があります。
従って、求める場合の数は、
nC3−2×n-1C2+n-2C1
=n(n−1)(n−2)/6−2(n−1)(n−2)/2+(n−2)
=(n−2)(n−3)(n−4)/6
=30・29・28/6
=4060通り
となります。
(カードを2枚選ぶ場合)
まず、n枚のカードから2枚選んで差が2以上の場合の数を求めます。
最初に選ぶカードの数字で分類します。
1のとき:隣の2は選べませんから、残りは3〜nまでのn−2通り。
2のとき:隣の3は選べませんから、残りは4〜nまでのn−3通り。
・・・
n−2のとき:隣のn−1は選べませんから、残りはnの1通り。従ってこれらを合計すると、
1+2+・・・(n−2)=(n−2)(n−1)/2通り
になります。
(カードを3枚選ぶ場合)
同様に、最初に選ぶカードの数字で分類します。
1のとき:残りは3〜nまでのn−4枚から2枚選ぶ(n−4)(n−3)/2通り。
2のとき:残りは4〜nまでのn−5枚から2枚選ぶ(n−5)(n−4)/2通り。
・・・
n−4のとき:残りはn−2〜nまでの3枚から2枚選ぶ2・1/2=1通り。
Sn=n(n+1)(n+2)/3とすると、
Sk−Sk-1
=k(k+1)(k+2)/3−(k−1)k(k+1)/3
=k(k+1)よって、
Σ(k=1..n)k(k+1)
=Σ(k=1..n)(Sk−Sk-1)
=Sn−S0
=Sn
=n(n+1)(n+2)/3 ・・・(1)求める場合の数は、
1/2・Sn−4
=(n−4)(n−3)(n−2)/6
=30・29・28/6
=4060通り
真ん中のカードを最初に選ぶ方法で分類します。
3のとき:左側のカードは1のみの1通り、右側は5〜nまでのn−4通り。
4のとき:左側のカードは1〜2の2通り、右側は6〜nまでのn−5通り。
・・・
n−2のとき:左側のカードは1〜n−4のn−4通り、
右側はnのみの1通り。よって合計は、
Σ(k=1..n-4)k(n−3−k)
=(n−3)Σ(k=1..n-4)k−Σ(k=1..n-4)k2
=(n−3)(n−4)(n−3)/2−(n−4)(n−3)(2n−7)/6
={(n−4)(n−3)/6}{3(n−3)−(2n−7)}
=(n−4)(n−3)(n−2)/6
=4060通り
漸化式で考えます。
カードn枚から3枚選ぶときの場合の数をf(n)、2枚選ぶ時をg(n)、1枚選ぶ時をh(n)とします。(1)カード1枚を選ぶとき:h(n)=n通りとなります。
(2)カード2枚を選ぶとき:
1〜n−1までのカードから2枚選ぶとき:g(n−1)通り
1〜n−2までのカードから1枚、およびnのカードを選ぶとき:
h(n−2)=n−2通りよって、g(n)=g(n−1)+n−2が成り立ちます。
従って、
g(n)=Σ(k=1..n)(k−2)+g(0)
=(n−2)(n−1)/2通り
となります。(3)カード3枚を選ぶとき:
1〜n−1までのカードから3枚選ぶとき:f(n−1)通り
1〜n−2までのカードから2枚、およびnのカードを選ぶとき:
g(n−2)=n−2通りよって、f(n)=f(n−1)+g(n−2)が成り立ちます。
従って、
f(n)=Σ(k=1..n)(k−4)(k−3)/2+f(0)
=(n−4)(n−3)(n−2)/6 ・・・(1)より
=4060通り
となります。