第228問の解答
1.問題 [整数の性質]
左図のような、1〜36の番号の書かれた36個の玉で出来た首飾りがあります。
この首飾りから、まず1番の玉を、その後はp番ごとに玉を取り外していき、その場所に玉がなかったらそこで終了とします。
また、途中で36を越えてしまった場合には、その数から36を引いた番号の玉を取り出し、その後同じように続けます。
例えば、p=10の場合に取り出す玉は、
1番→11番→21番→31番→5番→15番→25番→35番→9番→19番→29番 →3番→13番→23番→33番→7番→17番→27番→1番
のようになりますね。
このとき、全ての玉がなくなってしまうようなpを全て求めてください。
ただし、pは36以下の整数とします。
2.解答例1(ταροさん、澪桜葵美翔さん、萬田銀次郎さん、ありっちさん、noetherさん、Gouさん、きょえぴさん、柚奇神太郎さん、香川仁志さん、高橋道広さん、すなさん、DrKさん、清川育男さん、他多数)
全ての玉がなくなるとは、p、2p、3p、・・・、36pのそれぞれを36で割った余りが全て異なることを意味します。
これは、pが36と互いに素のときに限ることを、次のように示すことができます。もし、pと36が公約数n(n>1)を持つと仮定します。
p=qn、36=mn(1<q、m<36)とかけるので、
mp=mqn=36qは36の倍数となります。
(m+1)p−p=mpですから、pと(m+1)pは36で割った余りが等しくなり、しかも、1<m+1≦36なので、p、2p、3p、・・・、36pの中に36で割った余りが等しいものがあることになります
(例)p=15の場合
逆に、pと36は互いに素とします。
もし、p、2p、3p、・・・、36pの中に余りが等しいものnp、mpがあったとします。(1<n<m<36)
mp−np=(m−n)p=36kとなりますが、pは36の約数を持たないので、(m−n)が36の倍数となります。これは、1<n<m<36に反します。
従って、p、2p、3p、・・・、36pは、36で割った余りが全て異なります。
(例)p=7の場合
さて、36=22・32と素因数分解できるので、1、2、3、・・・、36の中で36と互いに素なものは、2の倍数でも3の倍数でもないものとなります。
従って、求める解は、下表の1の列、5の列の12個となります。
答:1、5、7、11、13、17、19、23、25、29、31、35