第235問の解答
1.問題 [平面図形]
左図は、次のようにして作図されています。
1.ある円の周上に長さ6cmの弦ABをとる。
2.角CAB=160度、CA=ABとなるような点Cをとる。
3.点Bから、ACに平行な直線をひき、もとの円との交点をDとする。
4.DとCを結ぶ。
すると、角ACD=40度となったそうです。
このとき、図の水色の部分の面積を求めてください。なお、円周率は3.14として計算してください。
2.解答例1(ありっちさん、萬田銀次郎さん、中村明海さん、ταροさん、たこやき大学さん、うっしーさん、トトロ@Nさん、C-Dさん、あやのりんさん、圭太さん、げんたさん、M.Hossieさん、あんみつさん、noetherさん、他多数)
円の中心をOとします。
中心Oは、辺ABの垂直2等分線と辺BDの垂直2等分線の交点として求まります。
図を正確に描くと、C、D、Oが一直線上に並んでいるようです。
これが成り立つものとして考えてみましょう。
(解答例2以下で、証明方法を紹介します)辺ABの垂線2等分線OH1と辺BDの交点をEとし、辺BAの延長線と辺DCの延長線の交点をFとします。
∠CAF=180−∠CAB=180−160=20度、
∠CFA=∠ACD−∠CAF=40−20=20度。
よって、△CFAは2等辺三角形。ACとBDは平行より、∠EBA=∠CAF=20度、
EH1はABの垂直2等分線だから、∠EAB=∠EBA=20度。
よって、AEとCDは平行となり、四角形DCAEは平行四辺形となります。C、D、Oは一直線上にある(と仮定した)ので、ODはAEと平行。
従って、△DAEと△OAEは底辺AEおよび高さが共通となるので、
△DAE=△OAE。また、四角形DCAEは平行四辺形だから、△DCA=△DAE、
EH1はABの垂直2等分線だから、△OBE=△OAE。以上から、平行四辺形DCAEの面積=△OAE+△OBE、
よって、求める図形の面積=扇形OABの面積。
従って、あとは円Oの半径と、扇形OABの中心角AOBが分かれば面積が求まります。ACとBDが平行より、∠ODB=∠DCA=40度。
OD=OA=OB=円Oの半径。
従って、△ODBは2等辺三角形だから、∠OBD=∠ODB=40度、
∠OBA=∠OBD+∠ABD=40+20=60度。△OABは2等辺三角形だから、∠OAB=∠OBA=60度、
よって、△OABは正三角形となり、∠AOB=60度、OB=AB=6cmと分かります。求める図形の面積
=扇形OABの面積
=円Oの面積×∠AOB/360
=π×62×60/360
=6π
≒6×3.14
=18.84cm2答:18.84cm2
以上
3.解答例2(noetherさん、あんみつさん、他)
辺CDの延長上に、AC=APとなる点Pをとります。
△ACPは2等辺三角形となるので、∠APC=∠ACP=40度、
∠CAP=180−40×2=100度。よって、∠PAB=∠CAB−100=160−100=60度となるので、
2等辺三角形△PABは正三角形となります。
従って、PB=PA。 ・・・(1)また、∠PBA=60度、
∠PBD=∠PBA−∠DBA=60−20=40度。∠PDB=∠PBD=40度より、△PDBは2等辺三角形。
よって、PD=PB。・・・(2)(1)、(2)より、PD=PA=PB=6cmとなるので、点Pは円の中心となります。
以下、解答例2と同様。
4.解答例3(M.Hossieさん、他)
ABの垂直2等分線上にAP=BP=AB=6cmとなる点Pをとります。
△PABは正三角形となるので、∠PAB=∠PBA=∠APB=60度。
∠CAP=∠CAB−∠PAB=160−60=100度。
AC=AP=6cmより、△ACPは2等辺三角形、
よって∠PCA=90−∠CAP×1/2=90−100×1/2=40度。∠PCA=∠DCA=40度より、C、D、Pは一直線上にあります。
よって、ACとBDが平行より、∠PDB=∠PCA=40度。
ところで、∠PBD=∠PBA−∠DBA=60−20=40度、
よって、△PDBは2等辺三角形、PD=PB=6cm。以上から、PD=PA=PB=6cmとなり、点Pは円の中心となります。
以下、省略。
(参考)C、D、Oが一直線上にあるときの条件は?
この問題では、C、D、Oが一直線上にあることがポイントになっています。
そこで、下図のように一般化して、角度αがどうなるかを考えてみましょう。
すなわち、ACとBDが平行、∠ACD=2α、∠CAB=180−αとします。(本文では、α=20度)
HをABの中点、EをOHとBDの交点、FをBAの延長とDCの延長の交点とします。
解答例1と同様に、ACとBDが平行より、∠EBA=∠CAF=α、
△EABは2等辺三角形より、∠EAB=∠EBA=α、
∠CFA=∠DCA−∠CAF=2α−α=α、
よってAEとCDが平行となることが分かります。また、ACとBDが平行より、∠ODB=∠OCA=2α。
Oは円の中心だから、OD=OA=OB。
よって、△ODBは2等辺三角形。
従って、∠OBD=∠ODB=2α。また、∠DOA(弧ADの中心角)=∠DBA(弧ADの円周角)×2=2α。
∠ACO=∠AOC=2αより、△ACOは2等辺三角形、
よって、AO=AC=6cm。従って、OA=OB=6cm=ABとなり、△OABは正三角形。
よって、∠OBA=∠OBD+∠EBA=3α=60度、
従って、α=20度となります。以上から、C、D、Oが一直線上にあるときは、α=20度のときに限り、
このとき、△OABは正三角形になります。