第243問の解答
1.問題 [整数の性質]
- 大きさの同じ立方体がたくさんあります。これらの立方体を積み上げて、直方体を作りました。
まず、この直方体の1つの面をペンキで塗りました。- 次に、残った5面の中から互いに向かい合わない2面を選んでペンキを塗りました。
すると、ペンキが塗られていない立方体が603個だけ減ったそうです。- さらに、残った3面の中から互いに向かい合った2面を選んでペンキを塗りました。
すると今度は、ペンキが塗られていない立方体が130個減ったそうです。(1)ペンキの塗られていない立方体は何個になったでしょうか。
(2)もとの直方体は立方体を何個使って作られていたでしょうか。
考えられる数のうち、最も大きいものを答えてください。
2.解答例1(高橋道広さん、M.Hossieさん、DrKさん、他多数)
まずペンキを塗る順番を考えます。
最初に底面を塗るものとします。
次に、側面から隣り合う面を2個を選んで塗ると、最後に塗るべき向かい合う面がなくなってしまうので不適です。
よって、2番目には上面と側面1個を塗り、最後に側面から向かい合う2面を塗ることになります。立方体の1辺の長さを1、直方体の各辺の長さをx、y、zとします。
・最初:立方体の個数 ・・・ xyz個
↓ -xy
・底面を塗った後 ・・・ xy(z-1)個
↓ -x(y+z-2)
・底面と側面を塗った後 ・・・ x(y-1)(z-2)個
↓ -2(y-1)(z-2)
・向かい合う側面を塗った後 ・・・ (x-2)(y-1)(z-2)個従って、
x(y+z-2)=603 ・・・ (1)
2(y-1)(z-2)=130 ・・・(2)(2)より、(y-1)(z-2)=65
65=1×65=5×13と分解されるので、
(y-1、z-2)=(1、65)、(65、1)、(5、13)、(13、5)すなわち、
(y、z)=(2、67)、(66、3)、(6、15)、(14、7)
となります。
603=9×67と分解されるので、(1)より、
はじめの2つのケースではy+z-2=67となり、x=9、
後の2ケースではy+z-2=19となり、xは整数でないので不適。従って、設問1の答は、
(x-2)(y-1)(z-2)=7×65=455個
と分かります。設問2については、
(y、z)=(2、67)のとき、xyz=1206
(y、z)=(66、3)のとき、xyz=1782
となり、後者のほうが大きいので答は1782個となります。
答:(1)455個(2)1782個以上