第265問の解答


1.問題 平面図形

問題図
左図のようなCD=10cmDA=6cmの四角形ABCDがあります。
  • 頂点と頂点、頂点と頂点を結んだところ、∠CBD90゜、∠DAC90゜となりました。
  • ABの中点をCDの中点をとしてこれらを結んだところ、MN4cmとなったそうです。

このとき、BC長さを求めてください。


2.解答例1(taroさん、 中村明海さん、他)

次の補題を用います。

[補題]

辺の長さが3:4:5である直角三角形の最小角をθとします。
2θを含む直角三角形の辺の長さは7:24:25である。

参考図1

[証明]

上図のように、辺の長さが3:4:5直角三角形2個をくっつけます。
また、からQRに下ろした垂線の足をとします。

 ∠HPR=90度−∠PRH=∠RQO
よって、
 PH=PR×4/5=6×4/5=24/5
 RH=PR×3/5=6×3/5=18/5、
 QH=QR−RH=5−18/5=7/5
従って、
 QH:PH:PQ=7/5:24/5:5=7:24:25

あるいは、三角関数の倍角公式を用いて、
 cos2θcos2θ-sin2θ=(4/5)2−(3/5)2=7/25
 sin2θ=2sinθcosθ=2・(4/5)・(3/5)=24/25
よって、三辺の比は、
 7/25:24/25:1=7:24:25

さて、∠CBD=∠ACD90度より、点は辺CD直径とする円周上にあります。

参考図2

は辺CD中点なので、円の中心
よって、NC=NB=NA=ND=5cm

NAMと△NBMについて、NANBAMBMNMは共通だから、
三辺が等しいので合同。
従って、∠AMN=90度となり、△NAM直角三角形
NM4cmNA5cmだから、AM=BM3cm

よって、ABAD6cmより、△ABD二等辺三角形
従って、∠ABD=∠ADB。 ・・・ (1)

さて、円周角より∠ACD=∠ABD、∠BCA=∠ADB
(1)より、これらは全て等しい(θとおきます)。

ABDは辺の長さが6:8:10=3:4:5直角三角形で、∠BCD=2θ。
よって、補題より、△BCDの辺の長さが7:24:25直角三角形

従って、BC=CD×7/25=10×7/25=14/5=2.8cm

答:2.8cm

以上


3.解答例2(トトロ@Nさん、 ヒデー王子さん、高橋道広さん、他)

ANBDの交点をとします。

参考図3

(1)までは解答例1と同様。

円周角より、∠BAC=∠BDCα
NAC二等辺三角形だから、∠CAN=∠ACD=θ=∠ADB
よって、∠BAP=∠ADN=∠DAN(△NAD二等辺三角形

従って、APBD垂直二等分線となります。 ・・・ (2)

ADP=θより、△ADP3:4:5直角三角形
よって、AP=AD×3/5=6×3/5=3.6cm
従って、PN=AN−AP=5−3.6=1.4cm

中点連結定理より、BC=2×PN=2×1.4=2.8cm


4.解答例3(うっしーさん、高橋道広さん、萬田銀次郎さん、他)

ACBDの交点をとします。

参考図4

(1)までは解答例1と同様。

APD、△BCPともに3:4:5直角三角形だから、
AP=AD×3/4=6×3/4=4.5cm
PC=AC−AP=5−4.5=3.5cm
BC=PC×4/5=3.5×4/5=2.8cm


5.解答例4(ふじさきたつみさん、 他)

BCの中点をL、ABNLの延長線の交点をとします。

参考図5

(2)までは解答例2と同様。

NBC二等辺三角形だから、NQBC垂直二等分線
よって、四角形BLNPの3つの内角が直角なので、∠QNA直角

よって、△AQN、△BQLもともに3:4:5直角三角形
従って、AQ=AN×5/3=5×5/3=25/3cm
BQ=AQ−AB=25/3−6=7/3cm

BL=BQ×3/5=7/3×3/5=1.4cm
従って、BC=2×BL=2×1.4=2.8cm


6.解答例5(有無相生さん、 他)

参考図6

途中までは解答例1などと同様。

NAC=∠NCA=∠ABD=∠ADB=θより、
NAC∽△ABDで相似比は、NA:AB=5:6

よって、BD=AC×6/5=8×6/5=48/5cm。
従って、三平方の定理より、BC=√(102−(48/5)2)=2.8cm


(その他の解法)