第267問の解答
1.問題 [平面図形]
左図のような三角形ABCがあります。
いま、ABの中点Mと辺ACを3:4の比に分ける点Qをとり、CMとBQの交点をRとすると、AR=CR=4cm、BR=5cmとなりました。
このとき、三角形ABCの面積を求めてください。
2.解答例1(うっしーさん、CRYING DOLPHINさん、宮本会長さん、まるケンさん、あやのりんさん、Parpunteさん、KINさん、トトロ@Nさん、他)
まずCR:RM等の比を求める必要があります。
ここでは、チェバの定理、および下記の補題を用いてみましょう。
(チェバの定理)
Rを三角形の内部の点とし、ARの延長と辺BCの交点をP、ARの延長と
辺BCの交点をP、BQの延長と辺CAの交点をQ、CRの延長と辺ABの
交点をMとすろと、次式が成り立つ。
(AM/MB)・(BP/PC)・(CQ/QA)=1(証明)
s1=△ABR、s2=△BCR、s3=△CARとします。
△ABP:△APC=△RBP:△RPC=BP:PC。
よって、s1:s3=(△ABP−△RBP):(△APC−△RPC)=BP:PC。
・・・ (1)同様に、
s2:s1=CQ:QA ・・・ (2)、 s3:s2=AM:MB ・・・ (3)(3)×(1)×(2)より、
(AM/MB)・(BP/PC)・(CQ/QA)=(s3/s2)・(s3/s2)・(s3/s2)=1(補題)
左図で、次式が成り立つ。
AR/RP=QA/CQ+AM/MB、
BR/RQ=MB/AM+BP/PC、
CR/RM=PC/BP+CQ/QA
(証明)
AR/RP=△ABR/△RBP=s1/(s2×BP/BC)、
AR/RP=△ARC/△RPC=s3/(s2×PC/BC)。よって、
(AR/RP)×(BP/BC)+(AR/RP)×(PC/BC)
=s1/s2+s3/s2
従って、
AR/RP
=s1/s2+s3/s2
=QA/CQ+AM/MB他も同様。
チェバの定理より、
(AM/MB)・(BP/PC)・(CQ/QA)=1
(1/1)・(BP/PC)・(4/3)=1
よって、BP:PC=3:4。従って補題より、CR/RM=PC/BP+CQ/QA=4/3+4/3=8/3。
よって、RM=CR×3/8=4×3/8=1.5cmとなります。あるいは、補題を下図のようにおもり法で用いるとわかりやすいでしょう。
ここで、△CBMを180度回転して、辺BMを辺MAに合わせてみます。
△AR'M≡△ARMだから、AR'=AR=5cm、R'M=RM=1.5cm、
よって、△AR'Rは辺の長さが3:4:5となり、直角三角形となります。従って、△ABC=△AC'C=1/2×C'C×AR=1/2×11×4=22cm2となります。
答:22cm2
以上
3.解答例2(マサルさん、takuさん、ヒデー王子さん、きょえぴさん、 他)
MR:RC=3:8、MR=1.5cmまでは解答例1と同様。
CMを延長して、MR'=MRとなるように、点R'をとります。
すると、△AR'Mと△ARMは、2辺挟角が等しいので合同。
従って、AR'=BR=5cm。
(同様に、BR'=AR=4cmよりAR'BRは平行四辺形と分かります)よって、△AR'Rは辺の長さが3:4:5となり直角三角形となります。
△AR'R=1/2×3×4=6cm2。△ABC:△AR'R=MR:MC=3:11、
よって、△ABC=△AR'R×11/3=6×11/3=22cm2。
(その他の解法)
MR:RC=3:8等を求める方法として、
- ベクトルを用いる ・・・ ちーくん、M.Hossieさん
- 座標系で求める ・・・ 有無相生さん など
面積を求める方法として、
- ヘロンの公式を用いる ・・・ Taroさん、ヘロメネチェバ余弦さん、ハラギャーティさん
- 三角形の相似を用いる ・・・ 川田智之さん
などがありました。