第269問の解答
1.問題 [規則性の問題]
自己増殖型ロボットのフエール君とネオ・フエール君が1台ずつあります。
フエール君は、自分自身のコピーを1分間に1台作ります。
ネオ・フエール君は1分間に、1台のフエール君を壊し、それを材料にして1台のネオ・フエール君を作ります。
いま、1台のフエール君を空き地に置き、3分後にネオ・フエール君を1台、同じ空き地に置きました。するとその数分後、フエール君は1台もなくなってしまったそうです。
では、この数分間に壊されたフエール君は、全部で何台でしょうか。
2.解答例1(ミミズクはくず耳さん、あんみつさん、武田浩紀さん、AЯOTさん、トトロ@Nさん、長野美光さん、takuさん、 澪桜葵美翔さん、有無相生さん、桜子さん、永井暁さん、DrKさん、ななしひめさん、sodoさん、チョコとプラスアルファさん、バーニィさん、 他多数)
t分後におけるフエール君の台数をFt、ネオ・フエール君をNtとします。
0≦t≦2では、フエール君だけなので、Ft+1=2Ftと等比級数になり、F1=2、F2=4、F3=8、と順次計算できます。
また、ネオ・フエール君は、題意より、N0=N1=N2=0、N3=1となります。さて、3≦tでは、題意より、
Nt+1=2Nt ・・・(1)
Ft+1=2(Ft-Nt) ・・・(2)
が成り立ちますので、順次計算していけば下表のようになります。
フエール君が壊された台数分だけネオ・フエール君が増加するので、結局N11-N3=256-1=255台ということになります。
答:255台
以上
3.解答例2(長野美光さん、まるケンさん、宮本伸之さん、高橋道広さん、少年さん、M.Hossieさん、Parpunteさん、 他)
3分後以降のフエール君とネオ・フエール君の台数比を考えます。
ネオ・フエール君は1分ごとに同じ台数だけのフエール君を破壊して、2倍に増えていきます。従って、台数比は1ずつ減っていき、8分後に0となります。
このとき、ネオ・フエール君は28=256台になっているので、増加分の256−1=255台に相当するフエール君を破壊したことになります。
(参考)漸化式で、一般式を考えてみましょう。(3分後をt=0とします)
Nt+1=2Nt ・・・(1)
Ft+1=2(Ft-Nt) ・・・(2)(2)÷(1)より、
Ft+1/Nt+1=(Ft-Nt)/Nt
=Ft/Nt−1よって、Ft/Ntは1分ごとに1ずつ減っていくことになります。
Ft/Nt=8−tまた、(1)より、Nt=2t
従って、Ft=(8−t)2t となります。(別解)
あるいは、(2)より、
Ft+2=2(Ft+1-Nt+1) ・・・(3)(3)−(2)×2より、
Ft+2-2Ft+1
=2Ft+1-4Ft-2Nt+1+4Nt
=2Ft+1-4Ftよって、
Ft+2-4Ft+1+4Ft=0 ・・・(4)(4)より、Ftは2階の線形漸化式となり、特性方程式はx2-4x+4=0なので、x=2を重根に持ちます。従って、一般式は、a、bを定数として、Ft=(at+b)2tと表すことができます。(注)
F0=b=8、F1=(a+b)×2=14より、a=-1、b=8を得ます。
よって、Ft=(8−t)2tとなります。(注)
Gt=Ft/2tとおきます。すなわち、Ft=2tGt
(4)に代入して、
2t+2Gt+2-4×2t+1Gt+1+4×2tGt=0
Gt+2-2Gt+1+Gt=0
Gt+2-Gt+1=Gt+1-Gt
従って、Gtは等差数列になり、a、bを定数として、Gt=at+bと表せます。
よって、Ft=2tGt=(at+b)2tとなります。