第272問の解答
問題 [平面図形]
左図のような△ABCがあります。
いま、辺AB、辺ACを斜辺とする直角二等辺三角形APB、AQCを図のように作ったところ、△APQの面積が10cm2、△BCPの面積が16cm2、△BCQの面積が14cm2となりました。このとき、
(1)五角形APBCQの面積は何cm2でしょうか?
(2)PQの長さは何cmでしょうか?
解答例1(ヒデー王子さん、永井暁さん、他)
辺BCの中点をM、およびPQの中点をDとします。
△PBMを点Pを中心に回転し辺PBをPAに重ねたものを△PB'M'とし、△QCMを点Qを中心に回転し辺QCをQAに重ねたものを△QC'M''とします。
∠PAM'+∠QAM''+∠APQ
=∠PBM+∠QCM+∠APQ
=(∠ABC+45度)+(∠ACB+45度)+(45度+∠BAC+45度)
=(∠ABC+∠ACB+∠BAC)+180度
=360度
より、A、M'、M''は一直線上に並び、しかもAM'=AM''(=BC)だから、
M'とM''は一致します。・・・(1)
これを改めてNと呼ぶことにします。PM=PNで、∠MPN=∠MPA+∠APN=∠MPA+∠BPM=90度より、
△PMNは、直角二等辺三角形。
同様に、△QMNも直角二等辺三角形。従って、四角形NPMQは正方形となります。
さて、△ANP=△BMP=1/2×△BCP=8cm2、
△ANQ=△CMQ=1/2×△BCQ=7cm2、
よって、△PNQ=△ANP+△ANQ+△APQ=8+7+10=25cm2。△PNQの面積は、PDを一辺とする正方形の面積に等しいので、
PD=5cm、よって、PQ=10cmと分かります。また、△PMQ=△PNQ=25cm2。
よって、五角形APBCQ
=△APQ+△BMP+△CMQ+△PMQ
=10+8+7+25=50cm2 となります。答:(1)10cm (2)50cm2
以上
解答例2(CRYING DOLPHINさん、他)
辺BCの中点をM、辺ABの中点をD、およびACの中点をEとします。
中点連結定理より、DM=1/2×AC=EQ。
同様に、EM=1/2×AB=DP。
また、∠PDM=90度+∠BDM=90度+∠MEC=∠MEQ。従って、△DPMと△EMQは、2辺と挟角が等しいので合同。
よって、PM=QM。次に、PMを軸として△PBMを折り返したものを△PB'M、
QMを軸として△QCMを折り返したものを△QC'Mとします。解答例1の(1)と同様にして、B'とC'は一致します。
これを改めてFと呼ぶことにすると、
FP=BP=AP、FQ=CQ=AQ。
よって、三辺が等しいことから△FPQ≡△APQ。よって、五角形APBCQ
=(△APQ+△BMP+△CMQ)×2
=(10+8+7)×2=50cm2 となります。さて、∠FMP=∠BMP、∠FMQ=∠CMQより、
(∠FMP+∠FMQ)×2=∠BMC=180度、
よって、∠FMP+∠FMQ=90度。従って、△PMQは直角二等辺三角形となります。
△PMQ=10+8+7=25cm2 となるので、PQ=10cmとなります。
解答例3(マサルさん、武田浩紀さん、 名倉っちさん、ふじさきたつみさん、他)
五角形APBCQを辺BCの中点Mを中心に180度回転したものを、A'P'CBQ'とします。
∠PBQ
=360度−(∠PBC+∠Q'BC)
=360度−(∠PBC+∠QCB)
=360度−(∠ABC+45度+∠ACB+45度)
=90度+180度−(∠ABC+∠ACB)
=90度+∠BAC
=∠PAQ。よって、△APQと△B'PQ'は、2辺と挟角が等しいので合同。
従って、PQ'=PQ。また、∠QPQ'=∠BPQ'+∠QPB=∠APQ+∠QPB=90度。
従って、△PQ'Qは直角二等辺三角形となります。
また、MはQQ'の中点だから△MPQ'も直角二等辺三角形となります。△BPQ'=△APQ=10cm2、
△PBM=1/2×△PBC=8cm2、
△Q'BM=1/2×△Q'BC=1/2×△QBC=7cm2。よって、△MPQ'=10+8+7=25cm2。
これは、PQ'の半分の長さを1辺とする正方形の面積に等しいことから、
1/2×PQ'=5cm。
従って、PQ=PQ'=10cmとなります。また、△MPQも△MPQ'と合同な直角二等辺三角形となるので、
△MPQ=25cm2。よって、五角形APBCQ
=△APQ+△BMP+△CMQ+△MPQ
=10+1/2×16+1/2×14+25=50cm2 となります。
解答例4(ミミズクはくず耳さん、N.Nishiさん、他)
点Pを中心に△PBCを回転し、PBがPAに重なるようにしたものを△PAC'、
点Qを中心に△QCBを回転し、QCがQAに重なるようにしたものを△QAB'とします。
解答例1の(1)と同様にして、C'とB'は一致しますので、これを改めてRとおきます。RAを延長し、PQとの交点をMとします。
点Pを中心に△APMを回転し、PAがPBに重なるようにしたものを△BPM1、
点Qを中心に△AQMを回転し、QAがQCに重なるようにしたものを△CQM2
とします。∠PBM1+∠PBC=∠PAM+∠PAR=180度、
∠QCM2+∠QCB=∠QAM+∠QAR=180度より、
M1、B、C、M2は、一直線上に並びます。また、∠M1PQ=∠BPM1+∠BPQ=∠APM+∠BPQ=90度、
同様に∠PQM2=90度となります。
また、PM1+QM2=PM+QM=PQ。
従って、四角形PM1M2Qは、面積がPQを1辺とする正方形のちょうど半分となる台形になります。△BPM1と△CQM2は、底辺の長さが等しいので、面積の比は高さの比に等しい。よって、△BPM1:△CQM2=△PBC:△QCB=8:7。
また、△APMと△AQMは高さが共通なので、面積比は底辺の比に等しい。
よって、PM:QM=△APM:△AQM=△BPM1:△CQM2=8:7。従って、△BPM1=△APM=△APQ×8/15=16/3cm2、
△CQM2=△AQM=△APQ×7/15=14/3cm2となります。よって、M1B:BC=△BPM1:△PBC=1:3、
M2C:BC=△CQM2:△QBC=1:3、
従って、M1B:BC:M2C=1:3:1となります。すると、△PM1M2=△PBC×5/3=80/3cm2。
△PQM2と△PM1M2の高さはPQと共通なので、
△PQM2=△PM1M2×7/8=70/3cm2。
よって、台形PM1M2Q=△PM1M2+△PQM2=80/3+70/3=50cm2。△PQM=△BPM1+△CQM2より、
五角形APBCQ=台形PM1M2Q=50cm2。よって、PQを1辺とする正方形の面積は、50×2=100cm2、
PQ=10cmとなります。
解答例5(うっしーさん、 他)
点Qを中心に△APQを回転し、APがCQに重なるようにしたものを△QCP'、
△PBCを180度回転し、BCがCBに重なるようにしたものを△P''CBとします。
これまで同様にP''はP'と一致します。
よって、△QBP'=14+16+10=40cm2。点Pを中心に△QPBを回転し、PBがPAに重なるようにしたものを△PAR、
点Qを中心に△PCQを回転し、QCがQAに重なるようにしたものを△SAQとします 。PR=PS=PQ。
∠RPQ=∠RPA+∠APQ=∠QPB+∠APQ=90度、
同様に、∠PQS=90度、
従って、四角形RPQSは正方形となります。また、△RASと△QBP'は三辺が等しいので合同、
△RAS=△QBP'=40cm2。従って、△RAS+△APQ=正方形RPQS×1/2=50cm2。
よって、正方形RPQS=100cm2となるので、正方形の1辺PQ=10cmと分かります。四角形PBCQを4つの三角形に分割し、面積をそれぞれa、b、c、dとします。
△QBC=a+b=14 ・・・(1)
△PBC=a+d=16 ・・・(2)
△RPA+△SAQ=(c+d)+(c+b)
=正方形RPQS−(△RAS+△APQ)=50 ・・・(3)(3)−(1)−(2)より、
(2c+b+d)−(a+b)−(a+d)=50−30
よって、c−a=10。 ・・・(4)(4)を(1)に代入して、
(c−10)+b=14
よって、b+c=24となります。従って、五角形APBCQ
=10+a+b+c+d
=10+(a+d)+(b+c)
=10+16+24
=50cm2。
解答例6(トトロ@Nさん、他)
点Rを辺QAの延長線上に、点Tを辺QCの延長線上に、および点Sを四角形RSTQが長方形になるようにとります。
△RPAと△SBPは、PA=BP、∠PAR=90−∠BPS=∠BPS、および∠RPA=90−∠BPS=∠SBPより、1辺と2挟角が等しいので合同。
よって、RP=SB。従って、△APQ+△QBC
=1/2×AQ×RP+1/2×QC×BT
=1/2×QC×SB+1/2×QC×BT
=1/2×QC×(SB+BT)
=△QPC
よって、△QPC=△APQ+△QBC=10+14=24cm2。従って、五角形APBCQ
=△APQ+△QPC+△PBC
=10+24+16=50cm2。PQの長さは、省略。
解答例7(川田智之さん、 他)
解答例5と同様に点P'を取ります。また、PCとQBの交点をSとします。
△QPP'はPQ=P'Qの直角二等辺三角形、およびPBP'Cは平行四辺形となります。
従って、△SBP'=△PBP'=1/2×PBP'C=16cm2。
また、△QSP'=△QBP'=40−16=24cm2。
よって、BS:SQ=△SBP':△QSP'=2:3。従って、△SBC:△SCQ=BS:SQ=2:3。
よって、△SBC=△QBC×2/5=14×2/5=5.6cm2、
△SCQ=△QBC×3/5=14×3/5=8.4cm2。
△PBS=△PBC−△SBC=16−5.6=10.4cm2、
△PSQ=△PBS×3/2=10.4×3/2=15.6cm2。よって、五角形APBCQ
=10+10.4+15.6+5.6+8.4=50cm2。また、△QPP'=△PBQ+△QBP'−△PBP'=26+40−16=50cm2。
△QPP'は直角二等辺三角形なので、PQ=10cmと分かります。
(その他の解法)
・座標、三角関数等を用いて解く・・・
Taroさん、有無相生さん、高橋道広さん、長野美光さん、電卓マニアさん、
M.Hossieさん、sodoさん、ばつ丸さん、Parpunteさん、他(解答例8)
BCの中点Mを原点にとり、A(a,b)、B(-c,0)、C(c,0)とおきます。
(参考図)
Px=-c+((a+c)cos45°-bsin45°)/√2=(a-b-c)/2
Py= ((a+c)sin45°+bcos45°)/√2=(a+b+c)/2
Qx=c+((a-c)cos(-45°)-bsin(-45°))/√2=(a+b+c)/2
Qy= ((a-c)sin(-45°)+bcos(-45°))/√2=(-a+b+c)/2従って、△PBC=cPy=c(a+b+c)/2=16、
よって、a+b+c=32/c ・・・(1)
また、△QBC=cQy=c(-a+b+c)/2=14、
よって、-a+b+c=28/c ・・・(2)(1)−(2)より、 2a=4/c、
よって、a=2/c。 ・・・(3)
(1)+(2)より、 2(b+c)=60/c、
よって、b=30/c-c。 ・・・(4)∠ABC=α、∠ACB=β、∠BAC=γとおきます。
また、△APQ
=1/2×AP×AQ×sin(γ+90°)
=1/2×AB/√2×AC/√2×cos(γ)
=1/4×AB×AC×cos(180°-α-β)
=−1/4×AB×AC×cos(α+β)
=−1/4×AB×AC×{cosαcosβ-sinαsinβ}
=−1/4×{ABcosαACcosβ-ABsinαACsinβ}
=−1/4×{(a+c)(c-a)-b2}
=1/4×(a2+b2-c2)=10
よって、a2+b2-c2=40。 ・・・(5)(3)、(4)を(5)に代入して、
(2/c)2+(30/c-c)2-c2=40、
c2=9.04、
よって、c=√9.04≒3.01cm。
従って、(3)、(4)より、
a=2/√9.04≒0.67cm、b=30/√9.04-√9.04≒6.97cm。さて、△PMQが直角二等辺三角形であることが次のようにして分かります。
まず、Qx=Py=(a+b+c)/2、Qy=−Px=(-a+b+c)/2より、
(Py/Px)・(Qy/Qx)=(Py/Px)・(−Px/Py)=−1より、PMとQMは直交します。
そして、QM2=Qx2+Qy2=Py2+Px2=PM2より、PM=QM。
実際に計算すると、
PM2={(-a+b+c)/2}2+{(a+b+c)/2}2
={a2+(b+c)2}}/2
={(2/c)2+(30/c)2}/2
=(904/c2)/2
=100/2=50
よって、PM=QM=5√2。
PQ=√2×PM=√2×5√2=10cm。従って、△MPQ=1/2×PM2=25cm2。
よって、五角形APBCQ
=△APQ+△BMP+△CMQ+△MPQ
=10+1/2×16+1/2×14+25=50cm2 となります。