第274問の解答
問題 [平面図形]
左図のような△ABCがあります。
この三角形は、面積が9cm2、辺AB=6cm、∠ACB=45度となっています。また、∠BACは90度より大きいそうです。
このとき、∠ABCの大きさを求めてください。
解答例1(長野美光さん、あんみつさん、 まるケンさん、他)
△ABCの外接円の中心をO、辺ABの中点をM、点Cから辺ABに下ろした垂線の足をHとします。
△ABC=1/2×AB×CH=9cm2。
よって、CH=9/AB×2=9/6×2=3cm。弧ABに対する中心角が∠AOB、円周角が∠ACBなので、
∠AOB=∠ACB×2=45×2=90度。
従って、△ABOはAO=BOの直角二等辺三角形となります。
よって、OM=AM=BM=1/2×AB=3cm、∠BAO=∠ABO=45度となります。CHとOMは、ともに辺ABに対して垂直だから平行、しかも長さが等しいので、四角形MOCHは長方形となります。
従って、ABとOCは平行、よって∠AOC=∠BAO=45度。弧ACに対する中心角が∠AOC、円周角が∠ABCなので、
∠ABC=∠AOC×1/2=45×1/2=22.5度となります。答:22.5度
以上
解答例2(CRYING DOLPHINさん、他)
∠ABC=22.5度と仮定します。点Aから辺BCに下ろした垂線の足をHとします。
図1
図2
図1のように、△ABCを2つ合わせでできる△ABA'と△ACA'を8個ずつ使って、図2のように一辺の長さがa×2の正方形の中に敷き詰めることができます。(ただし、AB=a、AC=c、AA'=h)
従って、△ABC×2×8=(2a)2=4a2、
よって、△ABC=1/4×a2=1/4×62=9cm2。これより、∠ABC=22.5度とする△ABCは題意を満たします。
ところで、Aは点Bを中心とする半径aの円と、Cを通り辺BCと45度をなす直線の交点であるので、下図のように最大2個(A、A'とします)しか存在しない。
しかるに、∠BAC+∠BA'C=180度なので、∠BACが180度より大きいものは、このうち1個だけである。
よって、∠ABC=22.5度と結論づけることができる。
解答例3(ちば けいすけさん、takuさん、小西孝一さん、トトロ@Nさん、鉄老さん、他)
辺BC上に∠CAN=90度となるように点Nを取ります。
また、点CおよびNから辺ABに下ろした垂線の足をそれぞれH、およびMとします。
解答例1と同様に、△ABC=9cm2より、CH=3cmが得られます。
さて、∠ANC=180−(∠CAN+∠ACN)=180−(90+45)=45度、よって、△ANCは直角二等辺三角形となります。
従って、AN=ACとなります。△ANMと△CAHについて、AN=AC、∠NAM=90−∠CAH=∠ACH、および∠ANM=90−∠NAM=∠CAH、
よって一辺とその両端の角が等しいので合同。
従って、AM=CH=3cm、BM=AB−AM=3cmとなります。△ANMと△BNMについて、BM=AM=3cm、MNは共通、∠BMN=∠AMN=90度、よって2辺挟角が等しいので合同。
これより、∠NBM=∠NAMとなります。
ところが、∠ANCは△NBAの外角より、
∠NBM+∠NAM=∠ANC、
∠ABC×2=45度、
よって∠ABC=22.5度となります。(参考)
結果として同じ図になりますが、点MをABの中点、NをABの垂直二等分線とBCの交点とした場合、△ANM≡△BNMまではすぐ分かりますが、これらが△ACHと合同となることを示すのはかなり難しいようです。従って、解答例2のように∠ABC=22.5度と仮定して題意を満たすことを示し、しかも題意を満たす△ABCは一意的に定まることを用いると良いでしょう。
解答例4(ふじさきたつみさん、他)
辺BCを一辺とする正方形を考え、対角線の交点をOとします。
△ABCを0を中心に反時計回りに90度回転したものを△A'CC'とし、BAの延長とA'Cとの交点をFとします。
A'CはABが90度回転したものだから両者は直交します。
従って、△ABC=1/2×AB×CFより、CF=3cmとなります。A'F=A'C−CF=6−3=3cm。
よって、△BA'Fと△BCFについて、BA'=BC、BFは共通、∠BA'F=∠BFC=90度より、2辺挟角が等しいので合同。
従って、∠A'BF=∠CBF(=∠ABC)。よって、∠ABC×2=∠OBC=45度、
従って、∠ABC=45×1/2=22.5度となります。
解答例5(うっしーさん、
中川幸一 さん、ハラギャーテイさん、高橋道広さん、M.Hossieさん、King of Kingさん、他)
上図より、AB=aとおくと、
AH=CH=a・sinθ、BH=a・cosθ、
よって、
△ABC=1/2・(a・cosθ+a・sinθ)・a・sinθ
=1/2×a2・(cosθ+sinθ)・sinθ
従って、
1/2×62・(cosθ+sinθ)・sinθ=9、
2(cosθ+sinθ)・sinθ=1、
2cosθ・sinθ+2sin2θ=1。三角関数の倍角公式より、sin2θ=2cosθ・sinθ、cos2θ=1−2sin2θ、
よって、sin2θ=cos2θ、従ってtan2θ=1。
∠BAC>180度より、θ<45度、よって、2θ=45度、
θ=22.5度となります。