第276問の解答


問題 整数の性質

マサルさんとトモエさんが次のような会話をしています。

マサル:「何か好きな3ケタの整数を思い浮かべてごらん。」
トモエ:「ん〜、OK、決まったよ」
マサル:「じゃあ、それらの数の、各ケタを入れかえてできる5種類整数を全部たして
ごらん。」
トモエ:「ん〜、電卓使って良い?(笑)ん〜と、1688ね。」

 さて、「トモエさんが最初に思い浮かべた整数」はいくつだったのでしょうか?

解答例1(Taroさん、ミミズクはくず耳さん、 長野美光さん、小杉原啓さん、トトロ@Nさん、CRYING DOLPHINさん、ふきゅさん、まおさん、あまれっとさん、中川幸一さん、有無相生さん、M.Hossieさん、高橋道広さん、みーちゃんぶちゅうさん、DrKさん、チョコとプラスアルスァさん、他)

求める整数を、n=a×100+b×10+cとおきます。

参考図1

各ケタを入れかえてできる5種類整数は、
 a×100+c×10+b
 b
×100+a×10+c
 b
×100+c×10+a
 c
×100+a×10+b
 c
×100+b×10+a
となります。ただし、題意より、0<a,b,c<10。

従って、これらに元の整数を加えると、
 2(a+b+c)×100+2(a+b+c)×10+2(a+b+c)=1688+n
  (a+b+c)×222=7×222+134+n ・・・(1)
よって、n+134は222の倍数となります。

m=a+b+c-7とおくと、(1)より、
m×222=n+134<1000+134=1134
従って、m+7<1134/222=5.1
よって、m≦3。

さて、
m=1のとき、n=222×1-134=88 不適
m=2のとき、n=222×2-134=310 不適
m=3のとき、n=222×3-134=532 適。

従って、n=532が求める整数と分かります。

答:532

以上


解答例2(AЯOTさん、長野美光さん、N.Nishiさん、TEGさん、なみはやさん、他)

求める整数を、n=a×100+b×10+cとおきます。
各ケタを入れかえてできる5種類整数の、百位の数字を加えたものをA十位の数字を加えたものをB一位の数字を加えたものをCとします。

参考図2

上図より、
  a+2b+2cA ・・・(1)
 2ab+2cB ・・・(2)
 2a+2bcC ・・・(3)
が成り立ちます。

A-Bb-aB-Cc-bC-Aa-cより、ABCの2個ずつの差は、9-1=8以内となります。

従って、入れ替えた整数の合計が1688となるには、繰り上がりを考慮すると、A15B17C18以外には題意に適するものがありません。

よって、
  a+2b+2c15 ・・・(1)'
 2ab+2c17 ・・・(2)'
 2a+2bc18 ・・・(3)'
となります。

(1)'+(2)'+(3)'より、
 5(abc)=50
よって、
 a
bc10
2(abc)=20 ・・・(4)

(4)−(1)'より、a=20-15=5
(4)−(2)'より、b=20-17=3
(4)−(3)'より、c=20-18=2
を得ます。

従って、求める整数は532となります。


解答例3(永井暁さん、圭太さん、かなさん、 ハラギャーテイさん、他)

求める整数を、n=a×100+b×10+cとおきます。

各ケタを入れかえてできる5種類整数は、
 a×100+c×10+b
 b
×100+a×10+c
 b
×100+c×10+a
 c
×100+a×10+b
 c
×100+b×10+a
となるので、合計すると、
 a×122+b×212+c×221=1688 ・・・(1)
となります。

(1)を変形して、
 a×(221-99)+b×(221-9)+c×221221×7+141
 (a+b+c-7)×221=a×99+b+141 ・・・(2)
となります。

pa+b+c-7とおくと、(2)より、
 a×99+b+141=p×221 ・・・(3)
となります。

1≦abc≦9より、-4≦p≦20、249=221+28≦a×99+b+141≦1113=221×5+8。
よって、(3)より、1≦p≦5の範囲に絞られます。 ・・・(4)

さて、(3)を変形して、
 (a×11+b+15)×9=p×24×9+p×5-6
p×5-6(a×11+b+15-p×24)×9 ・・・(5)
が得られます。

従って、p×5-6は9の倍数となり、(4)から-1≦p×5-6≦19、
よって、p×5-6=0、9、18のいずれかとなります。
これより、pが整数となるのは、p×5-6=9、p=3のときのみです。 ・・・(6)

よって、(5)より、
 a×11+b+15=73
 a×11+b=58
 (a-5)×11=3-b ・・・(7)
を得ます。

-6≦3-b≦2なので、この範囲で11の倍数は0のみ。
従って、a-5=0、3-b=0、
よって、a=5、b=3となります。

(6)より、a+b+c-7=3、従って、c=10-(a+b)=10-(5+3)=2となります。

以上から、求める整数は532と分かります。