第333問の解答
問題[空間図形]
左図のような、AC=BD=6cm、AB=CD、AD=BCの三角錐ABCDがあります。 頂点Cと辺BDの中点Nを結ぶと5cmになります。また、点Cを通り辺BDに平行な直線をひくと、辺ACと30°で交わります。
このとき、三角錐ABCDの体積を求めてください。
解答例1
トトロ@Nさん、フランク長いさん、takaisaさん、 他
辺ACの中点をM、辺BDの中点をNとします。
△MDB、△NCAは、どちらも底辺が6cm、斜辺が5cmの二等辺三角形。
よって、△MDN、△MBN、△NCM、△NAMは、全て3辺が3:4:5の直角三角形となる。従って、MN=4cm、△MDN=1/2×BD×MN=1/2×6×4=12cm2。
ここで、頂点Aから、Mを通ってDBに平行な直線に下ろした垂線の足をHとします。
DBとMHは平行で、ANとDBが直交、従ってMHとMNが直交、かつMNはACと直交、
従って、三垂線の定理より、HはAから平面MDBに下ろした垂線の足ともなります。∠AMH=30°より、AH=AM×1/2=3/2cm。
さて、三角錐ABCDを平面MDBで分割すると、MはACの中点だから、
分割してできる2つの三角錐の体積は等しい。従って、三角錐ABCD
=三角錐AMDB×2
=1/3×△MDB×AH×2
=1/3×12×3/2×2
=12cm3
となります。
答: 12cm3
以上
解答例2
中村明海さん、長野 美光さん、CRYING DOLPHINさん、クララさん、ねこやんさん、うっしーさん、ミミズクはくず耳さん、 他
三角錐ABCDの4面は全て合同な三角形なので、
もし、これらが鋭角三角形ならば下図のように直方体にすっぽり収めることができます。(注)
DAは平面AB'CA'と直交するので、∠DA'M=90°、
よって、△DMA'は3辺が3:4:5の直角三角形となります。
従って、DA'=4cm。DBとA'Mは平行なので、題意より、ACとA'Mは30°で交差します。
よって、A'からACに下ろした垂線の足をHとすると、
A'H=AM×1/2=3/2cm。従って、長方形AB'CA'=1/2×AC×A'H×2=6×3/2=9cm2。
よって、直方体の体積V=4×9=36cm2。さて、三角錐ABCDは直方体から4個の三角錐を除いたものなので、
三角錐ABCD=V−1/6×V×4=V×1/3=36×1/3=12cm2となります。
(注)
三角形の3辺の長さをa、b、cとします。
直方体の横、縦、高さをx、y、zとすると、
x2+y2=a2 ・・・ (1)
y2+z2=b2 ・・・ (2)
z2+x2=c2 ・・・ (3)
が成り立つ必要があります。{(1)+(2)+(3)}/2より、
x2+y2+z2=(a2+b2+c2)/2 ・・・ (4)(4)−(2)より、x2=(a2−b2+c2)/2、
(4)−(3)より、y2=(a2+b2−c2)/2、
(4)−(1)より、z2=(−a2+b2+c2)/2 ・・・ (5)(5)を満たすa、b、cが存在するには、三角形が鋭角三角形であることが必要かつ十分。
よって、三角形が鋭角三角形ならば、三角錐が収まるような直方体が存在し、
また(5)より、そのような直方体の大きさは1通りしかないことが分かります。
(その他の解法)
- 座標と方程式で解く ・・・ 有無相生さん、 他