第373問の解答


問題[場合の数]

問題図 左図のような図形を一筆書きする方法は何通りあるでしょうか。

ただし、始点終点が逆になっただけのものは同じとします。


解答例1

たみてんさん、ヒデー王子さん、中村明海さん、すてっぷさん、 他

三角形n個のときの一筆書きan通りとし、nに関する漸化式を考えます。

参考図1

よく知られているように、一筆書きできる条件は、その図形に奇点奇数個の線が集まる点と)の個数がまたはになることです。そして、

  • 奇点のとき ・・・ どの点から始めてもよく、最後に出発点に戻るようにすればよい

  • 奇点のとき ・・・ 一方の奇点から始め、もう一方の奇点に戻るようにすればよい 

となっています。

  1. n=0のとき、何もない図形なので本来は意味がありませんが、頂点が1個の図形と考えれば、
    この点のみを書く1通りと考えられます。 ・・・ a1=1通り

  2. n=1のとき、始点が決まったものとすれば、右回りと左回りの2通りあります。 ・・・ a1=2通り

  3. n≧2のときには奇点がちょうど2個となります。
    一方の始点Sから出発するとき、方向は3通りあります。(上図参照)
  • 方向1:残りの図形は三角形(n-1)個。 ・・・ an-1通り

  • 方向2:残りの図形は三角形(n-2)個と三角形1個が1点で結ばれたもの。
     ・・・ an-2×a1通り

従って、
 an2an-1+2an-2
が成り立ちます。

n 0 1 2 3 4 5
an 1 2 6 16 44 120

よって、この漸化式にもとづいて順次計算していけば、a5120通りとなります。

 

答: 120通り

以上


解答例2

みかんさん、数楽者さん、Taroさん、CRYING DOLPHINさん、長野 美光さん、ちこりんさん、M.Hossieさん、大岡 敏幸さん、他多数

参考図2

解答例1で述べたとおり、奇 点から書き始める必要があります。

方向は3通りなので、それぞれの場合に分けて数え上げると、

  1. 44通り
  2. 44通り
  3. 32通り

となり、
 合計=44+44+32=120通りとなります。


(その他の解法)