第380問の解答


問題[場合の数]

4組(男女8人)カップル円卓で昼食会を開くことになりました。

円卓の周りには8つイスがあって、8人はどれかのイスに座ることになります。
が、カップル4組ともアツアツなので、自分の恋人別の異性隣同士になることを決して許しません

このとき、8人イスへの座り方何通りあるでしょうか。
 (ただし、回転すると同じになるものは、全部で1通りと数えます。)


解答例1

Taroさん、さん、ヌオの母さん、AЯOTさん、みかんさん、拓パパさん、CRYING DOLPHINさん、はなうさん、DrKさん、小西孝一さん、小学名探偵さん、M.Hossieさん、ミミズクはくず耳さん、大岡 敏幸さん、ポケモンハルカさん、 他多数

女性または男性1人でいると、両隣異性なのでどちらかは自分の恋人ではありえないので不適。よって、女性男性とも2人以上で固まっていることになります。 (以降、固まりのことを連鎖と呼ぶことにします)
また、女性連鎖男性連鎖は、互い違いに並ぶことになるので個数は等しい。・・・(1)

参考図1

カップル4組の場合、女性連鎖、男性連鎖は、
 4個(ケース1)か、2個2個(ケース2)
2通りになります。

各ケースの数え方はいろいろありますが、次の方法が分かりやすいでしょう。

(ケース1)
・まず、女性4人を並べます。 ・・・ 4!=4×3×2×1=24通り
男性4人のうち、両端の2人は自分の恋人に座ります。
 残り2人の並び方 ・・・ 2!=2×1=2通り
   →24×2=48通り

(ケース2)
4組のカップルの並び方は4組円順列 ・・・ 3!=3×2×1=6通り
各カップル内女性男性の並び方は全て同じ ・・・ 2!=2×1=2通り
   →6×2=12通り

よって、
 座り方合計=48+12=60通り
と求まります。

答: 60通り

以上


解答例2

小学名探偵さん、中村明海さん、ほげさん、他

この問題の一般化に3人の方が取り組まれました。その結果をご紹介いたします。

カップルn組n≧2)のときの座り方n)とします。
解答例1の(1)から、女性連鎖男性連鎖k個(1≦kn×1/2)のときの座り方を、Qnk)と すると、
  n)=ΣQnk
と表すことができます。

まず、Qnk)を求めます。

参考図2

(1)k個ずつある女性連鎖、および男性連鎖で、それぞれの両端にいる人たちは、恋人隣り合っています。逆に恋人と隣り合っているカップルは、互いに女性連鎖または男性連鎖にいます。これら2k組のカップルn組カップルから選ぶ並び方は、
 ・・・ nC2k通り

(2)選ん2k組のカップルをの並び方は、 ちょうど解答例1のケース2と同じになるので
 ・・・ (2k-1)!×2!通り

(3)残りの女性(n2k)人は、連鎖の内側にいることになります。

  • まず1人目を並べることのできる位置は、n個連鎖2人ずつ並んでいる)のうち、
    いずれかの間なので ・・・ k通り

  • 2人目は、2人ずつ並ぶ女性の組は1つ増えて(k+1)組となるので、・・・ (k+1)通り

  • 以下同様にして、最後の女性は(n-2k)人目なので、
     ・・・ {k+(n−2k)−1}=(n-k-1)通り

従って、
 合計=k×(k+1)×(k+1)×・・・×(n-k-1)=(n-k-1)!/(k-1)!通り

(4)残りの男性(n2k)人の並べ方も(3)と全く同じなので、
 ・・・ (n-k-1)!/(k-1)!通り

よって以上から、
  Qnk)=nC2k×(2k-1)!×2!×{(n-k-1)!/(k-1)!}2 通り
となり、
  Pn)=Σ(k=1..[n/2]) nC2k×(2k-1)!×2!×{(n-k-1)!/(k-1)!}2 通り
と求まります。

なお、n=1のときP(1)=1なので、これを加えてn=1〜10までを計算すると、
下表のようになります。

参考図3

(追補)本問の数列がオンライン整数列大辞典に登録されました。
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(参考)n→∞のとき、P(n)/{(n-1)!}2→1.59063685463656

P(n)/{(n-1)!}2ΣQ(n,k)/{(n-1)!}2第k項は、
 Q(n,k)/{(n-1)!}2
n!/{(n-2k)!×(2k)!}×(2k)!/k×{(n-k-1)!}2/{(k-1)!}2
1/{k!×(k-1)!}×[n×(n-1)×・・・×(n-2k+1)/{(n-1)×(n-2)×・・・×(n-k)}2]
となり、
後半部分は、分母分子とも2k個なので、それぞれn2kで割って、
 1×(1-1/n)×・・・×{1-(2k-1)/n}/{(1-1/n)×(1-2/n)×・・・×(1-k/n)}2
となるので、n→∞のとき、1収束

従って、
 Q(n,k)/{(n-1)!}21/{k!×(k-1)!}

よって、
 P(n)/{(n-1)!}2Σ(k=1..∞)1/{k!×(k-1)!}

実際に計算すると、
 k=1〜11の和=1.59063685463733
  ・・・
 k=1〜15の和=1.59063685463733

ただし、Q(n,k)/{(n-1)!}2自身の収束は、かなり遅く、
 n=10のとき、1.6482087743
 n=1000のとき、1.5913250049
 n=100000のとき、1.5906437440
 n=10000000のとき、1.5906368615