第424問の解答
問題[平面図形、規則性]
上図のような、一辺の長さがアcmである正5角形があります。
この正5角形の各辺を延長すると、図のような星形ができ、その一辺の長さをイcmとします。(1回目の作業)
次に、星形の鋭角の頂点を結ぶと、正5角形ができます。(2回目の作業)以下3回目以降の作業を繰り返すと、この図形は、
正5角形→星形→正5角形→星形→・・・
と変化します。このとき、10回目の作業後にできる正5角形の一辺の長さを
A×ア+B×イ cm
と表すとき、A、Bに当てはまる整数を答えてください。
解答例1
トトロ@Nさん、あ〜く@ぴかぴかの(略さん、uchinyanさん、始 受験勉強君さん、アヒーのおじさんさん、mhayashiさん、圭太さん、M.Hossieさん、小学名探偵さん、DrKさん、3秒の世界さん、emikoさん、はなうさん、N.Nishiさん、他
n回目の作業後にできる図形(正五角形または星形)の1辺の長さをdnとし、
dn=pn×a+qn×bとします(ただし、a=アの長さ、b=イの長さ)。まず、d0=a、d1=bより、
d0=p0×a+q0×b=a → (p0、q0)=(1、0)
d1=p1×a+q1×b=b → (p1、q1)=(0、1) ・・・ (1)
となります。
次に、n≧2について、dnの漸化式を求めてみましょう。
nが偶数のとき:
△CABと△DBCは、いずれも底角が72度の二等点三角形となり相似。
また、△ACDは底角が36度の二等辺三角形。
従って、
DB=DC=dn、AD=AC=BC=dn-1、AB=dn-2
よって、
dn=dn-1+dn-2
が成り立ちます。nが奇数のとき:
△ADCと△FDCは、いずれも底角が72度の二等点三角形で、底辺DCが共通なので合同。
また、△FGBも底角が72度の二等辺三角形。
従って、
FC=EC=dn、FB=FG=dn-1、BC=dn-2
よって、
dn=dn-1+dn-2
が成り立ちます。以上から、nが偶数のときも、奇数のときも、
dn=dn-1+dn-2 ・・・ (2)
が成り立つことが分かります。(2)より、
dn=(pn-1×a+qn-1×b)+(pn-2×a+qn-×b)
=(pn-1+pn-2)×a+(qn-1+qn-2)×bよって、
pn=pn-1+pn-2、qn=qn-1+qn-2 ・・・ (3)
が成り立ちます。(フィボナッチ数列)従って、 (1)、(3)より、順次計算していくと、
となり、
A=p10=34、
B=q10=55
と求まります。答: A=34、B=55
以上
解答例2
tomhさん、ゴンともさん、kasamaさん、姉小路さん、スモークマンさん、他
解答例1と同様に、△CABと△DBCが相似より、
DC/BC=BC/AB
よって、
d1/d0=d2/d1
が成り立ちます。同様にして、
d2/d1=d3/d2=・・・
となることが分かります。この値をtとすると、
dn=tn×a ・・・ (1)
となります。(d0=a)三角関数を用いると、
t=1/(2cos72°)=1/(2×(√5−1)/4))=(√5+1)/2
を得ます。これは、(1)および解答例1の(2)より、
t2×a=t×a+a
従って、
t2−t−1=0
を解いても得ることができます。(1)より、
d10=tn×a
={(√5+1)/2}10×a
={(123+55√5)/2}×a
=34×a+55×(√5+1)/2×a
=34×a+55×b
となります。 (d1=t×a=b)従って、A=34、B=55と求まります。
(その他の解法)
ペイントとエクセルを使って手作業で解いた ・・・ cmさん、他
三角関数と方程式など組み合わせて数式処理ソフトで解いた ・・・ ハラギャーテイさん、他