第51問の解答


1.問題 [整数の性質

5人の人が3桁のある整数について話し合っています。
  1. で割ると1余りで割ると2余る
  2. で割ると3余りで割ると4余る
  3. で割ると5余りで割ると6余る
  4. で割ると7余りで割ると8余る
  5. 10で割ると9余り11で割ると10余る

ところが、5人とも発言の一方は正しく、もう一方は誤りのようです。では、この3桁の整数とは


2.解答例1(伏見主事さん、わかさひ君他

 それぞれの人の言ってることを条件1、条件2とすると、Aさんは「条件1が正しくて条件2が誤り」のケースと、逆に「条件1が誤りで条件2が正しい」の2ケースが考えられます。同様に、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんについてもそれぞれ2ケース考えられるので、全部で5=32ケースあることになります。

なお、それぞれの条件は、求める整数に1を加えた整数について考えると、2の倍数、3の倍数、・・・、11の倍数となります。

参考図1

このうち、あり得ないケースを消去していけば良いわけですが、まずCさんの条件16の倍数」に着目してみましょう。

 もし、条件1が正しいと仮定すると、6の倍数ですから、2および3の倍数にもなります。すると、Aさん条件1条件2の両方が正しいことになりますので、6の倍数ではあり得ません。よって、Cさんについては、条件2が正しく、「6の倍数ではなく、7の倍数」ということになります。

 さて、今度はDさんに着目してみましょう。

(ケースa)条件1「8の倍数」が正しいと仮定

参考図1

 8の倍数ということは、2の倍数であり、4の倍数でもある。従って、Aさん、Bさんは「条件1が正しく、条件2が誤り」と分かる。

 従って、Bさん条件2が誤りだから5の倍数ではないので、10の倍数でもない。よって、Eさんは、「条件1が誤り、条件2が正しい」ことになる。

 

(ケースb)条件2「9の倍数」が正しいと仮定

参考図2

 8の倍数でないということは、2の倍数でもなく、4の倍数でもない。従って、Aさん、Bさんは「条件1が誤り、条件2が正しい」と分かる。

 従って、Aさん条件1が誤りだから2の倍数ではないので、10の倍数でもない。よって、Eさんは、やはり「条件1が誤り、条件2が正しい」ことになる。

さて、ケースaの場合、求める整数に1を加えた整数は、2,4,7,8,11の最小公倍数=7×8×11=616の倍数。このうち、3桁の整数は616しかないので、求める整数=616−1=615となる。

次に、ケースbの場合、求める整数に1を加えた整数は、3,5,7,9,11の最小公倍数=5×7×9×11=3465の倍数。このうち、3桁の整数はない。

よって、答はケースa615のみである。

以上