第52問の解答
1.問題 [規則性]
左図のような正三角形のコースが2つあります。この2つのコースは、10m分だけ重なっています。 ゆたか君はAコースを毎分19mで、TORAさんはBコースを毎分98mの速さで、それぞれ矢印の方向に回り始めました。
何周かしているうちに、コースの緑色の部分で2人は出会いました。そのあと数分して2人はまた出会いました。
このように2人が出会うことのできる場所は、緑色の部分に最大何カ所あると考えられるでしょうか?
2.解答例1(武田 浩紀さん他)
上記問題図をよく見てみると、次のように変形できます。
図1
→ 図2
→ 図3
従って、図3の通り周囲30mの円周を、それぞれ向きの異なる方向に回る問題と同等となります。
図4
ゆたか君とTORAさんの進む速度の比は19:98ですから、最初に出会った地点a0、次に出会った点をa1とすると、a0からa1までの距離は、円周の19/(19+98)=19/117となります。
同様にして、3度目に出会う地点a2は、a0から19/117×2=38/117の場所、a3は19/117×3=57/117・・・、a117は19/117×117=19となり、ちょうどa0と同じ地点になります。
図5
さて、図5のようにこの間出会う地点は結局a0からスタートして、円周を117等分する各点となることが、計算によって分かります。(参考:剰余形による説明)
さて、緑色の部分は円周の1/9なので、117/9=13から、a0がちょうど緑色の部分を13等分する点となるときに13+1=14地点で出会うことになり、それ以外の時は13地点なので、結局最大14地点で出会うことになります。
以上
(参考)剰余形による説明
p0=a0を開始点とし、円周を117等分する地点をp1、p2、・・・、p116とします。
an(0≦n≦116)に対し、a0からanの距離は、円周の19/117×n倍なので、19×nを117で割った余りをrとすると、an=prとなります。
さて、もしan=am(0≦n<m≦116)となるものがあったとすると、19×n19×m(mod 117)となります。ところが、19と117は互いに素(1以外の公約数を持たない)ので、nm(mod 117)となりますが、これは0<m−n<117に反します。
よって、an(0≦n≦116)は全て異なることになるので、{an|(0≦n≦116)}={pn|(0≦n≦116)}(集合として一致)になります。