第111問の解答
1.問題 [速さ]
幅の広い下りのエスカレータがあります。A君、B君の2人が、各々のペースでこのエスカレータを9分間上り下りし続けます。このとき、A君が下る速さとB君が上る速さは、等しかったそうです。
A君は、下の階を出発し、2往復してちょうど下の階に戻ってきました。
B君は、上の階を出発し、2往復半してちょうど下の階に着きました。
途中、2人が2回目にすれ違ったのは、スタートして3分5秒後で、下から51段目の場所でした。
では、2人が最後にすれ違ったのは、下から何段目の場所でしょう?
2.解答例1(gehoさん他)
A君の上り速度をa段/秒、B君の下り速度をb段/秒、A君の下り速度およびB君の上り速度をb段/秒とします。
A君は上り(a段/秒)と下り(c段/秒)を2回ずつ、B君は上り(c段/秒)2回、下り(b段/秒)3回ですから、a:b=2:3と分かります。
また、A君、B君、およびエスカレータ自身の速度をそれぞれva,vb,v段/秒とすると、
a=va-v,b=vb+v,c=va+v=vb-v
よって、a=c-2v,b=c+2vとなり、cは、aとbの平均となる。
従って、a:c:b=2:2.5:3=4:5:6と分かります。エスカレータの段数、2回目に出会った場所を下から数えた段数、最後に出会った場所の段数をd、d1、d2段とする。今、dを24とすると、
A君が上りもc段/秒で上ったとすると、d×c/a=30段上る、
B君が下りもc段/秒で下ったとすると、d×c/b=20段下ることになります。従って、2人で合計30+24+20=74段進んだことになるので、1人では半分の37段になります。
よって、d:d1=24:(37−20)、d1=51だからd=51×24/17=72段になります。
今度は、2人が最後に出会ってから以降を考えると、同様にして2人で24+20=44段、1人では44/2=22段進んだことになります。
よって、d:d2=24:22、d2=72×22/24=66段と分かります。
答:66段
以上
3.解答例2(ありさのお父さん、中学への算数学コンさん他)
下図のように、2人が出会う時間をt1,t2秒、A君が各階に着く時間をta1,ta2,ta3秒、B君が各階に着く時間をtb1,tb2,tb3,tb4秒とします。
まず、A君は、上り下り2回ずつなので、ta2=540/2=270秒となります。
B君がtb1からt1までと、A君がt1からta2までと、どちらも同じ速度cで進むので、tb1,t1,ta2は等間隔。よって、tb1=185×2-270=100秒となります。すると、B君が下るのには100秒かかることになり、tb4=540-100=440秒、tb2=tb4/2=220秒、tb3=tb2+100=320と分かります。
これからB君が上りに要する時間は、tb2-tb1=120秒となります。
すると、A君が上りに要する時間は、ta3-ta2=420-270=150秒と分かります。
よって、ta1=150となります。さて、1階から2人が2回目に出会うまでの51段を、往復270−100=170秒要し、出会う場所から2階までの往復に220−150=70秒要する。
よって、d=51×(70+170)/170=51×24/17=72段、
d2=72×220/(20+220)=72×22/24=66段となります。以上