第122問の解答
1.問題 [速度]
A地点からB地点まで、新幹線と高速バスを同じ距離だけ乗った場合と、
B地点からA地点まで、新幹線と高速バスを同じ時間だけ利用したときでは、
所用時間は18分の差がありました。新幹線は時速210km、高速バスは時速120kmの一定速度で走るものとすると、
A地点からB地点までは何km離れていることになるでしょう。
2.解答例1(中村明海さん、萬田銀次郎(ミナミの鬼)さん、ありっちさん、他多数)
B地点からA地点までの平均時速、所用時間をv1km、t1時間、
A地点からB地点までの平均時速、所用時間をv2km、t2時間、および
A地点からB地点までの距離をdkmとします。上図で緑色の三角形が相似なことからより、
(t2−t1):(v1−v2)=t1:v2、
(t2−t1)×v2=t1×(v1−v2)、
t1=(t2−t1)×v2/(v1−v2) となります。v1=(210+120)/2=165km/h、 ・・・算術平均
v2=2/(1/210+1/120)=1680/11km/h ・・・調和平均よって、
v1−v2=165−1680/11=135/11km/hまた、t2−t1=18/60=3/10hであるから、
t1=(3/10)×(1680/11)/(135/11)=56/15時間、
d=t1×v1=56/15×165=616km となります。
あるいは、
210×t1/2+120×t1/2 = d
(d/2)/210 +(d/2) /120 = t1+0.3
を解いて、t1=56/15時間、d=616kmを得る。答:616km
以上
2.解答例1(Taroさん、 萬田銀次郎(ミナミの鬼)さん、わかさひ君他多数)
仮にd=14kmとしてみる。
AからBまでは、それぞれ7kmを210km/h、120km/hで走るので、
所要時間は、7/210×60=2分、および7/120×60=3.5分、
合計5.5=60.5/11分となります。BからAまでは、新幹線と高速バスは走る時間は同じなので、
走行距離は210:120=7:4。よって、
新幹線: 14km×7/11=98/11km、
高速バス:14km×4/11=56/11km
を走ることになります。所要時間は、
新幹線:(98/11)/210×60=28/11分、
高速バス:(56/11)/120×60=28/11分
合計56/11分走ることになります。よって、所用時間の差は、60.5/11−56/11=4.5/11分になります。
ところが、実際の差は18分だったので、14kmの18/(4.5/11)=44倍、
すなわち、d=14×44=616km となります。以上
(参考)平均について
x、yを正の数とする。
算術平均 : (x+y)/2
調和平均 : 1/((1/x+1/y)/2)=2xy/(x+y)
幾何平均 : √xy
に関して、調和平均≦幾何平均≦算術平均(等号はx=yのとき)
例えば、x=210、y=120とすると、
算術平均 : (210+120)/2=165
幾何平均 : √(210×120)=60√7≒158.75
調和平均 : 2×210×120/(210+120)=1680/11≒152.73
と確かに成り立つ。実際、
算術平均−幾何平均=(x+y)/2-√(xy)=(√x-√y)2/2≧0
幾何平均−調和平均=√(xy)−2xy/(x+y)=√(xy)・(√x-√y)2/(x+y)≧0
から証明できる。以上