第4問の解答
1.問題
左図のような縦8×横10のマス目があります。
今、赤いボールをCの角のマス目から45度の角度で動かしていくことにしました。ボールは壁にぶつかると反射して、やはり45度の角度ですすんでいきます。
(1)さて、ボールは一体何回壁にぶつかって角に達するでしょうか。
(2)また、その角はA、B、C、Dのどれでしょうか。
(3)縦m×横n(m、n:正の整数)のときは、何回壁にぶつかって、どの角に到達するでしょうか。
(注)ボールはマス目の上を動きますので、反射の仕方に注意して下さい。
2.設問(1)、(2):解答例
実際に進めてみると、左図のように14回壁にぶつかりBに到達します。
答:(1)14回
(2)B以上
3.設問(3):解答例
マス目上を進んでいく場合の反射の仕方は分かりにくいので、格子上を進む場合を考えてみましょう。
上図のように、縦4×横5のマス目を進むことと、縦3×横4のマス目の格子上を進むことは同じことになります。
次に、ボールは縦方向に格子を3つだけ進むたびに上下の壁にぶつかり、横方向に4つ進むたびに左右の壁にぶつかることが分かります。
そこで、ボールの進む方向に延長してみると、角に到達するのは、ボールの進んだ格子の数が、3の倍数かつ4の倍数、すなわち12個進むこととなります。
このとき、縦方向には、縦3×横4のマス目の12/3=4倍進むことになるので、壁には4−1=3回ぶつかります。同様に横方向には縦3×横4のマス目の12/4=3倍進むことになるので、壁には3−1=2回ぶつかります。
一般に縦m×横nのマス目の場合はどうなるでしょうか。
さきほど同様、縦(m-1)×横(n-1)のマス目の格子上を進むことを考えます。
m-1、n-1の最小公倍数をs、m-1=t×s、n-1=u×sとします。すると、縦方向には縦(m-1)×横(n-1)のマス目のt倍だけ進むことになり、t−1回壁にぶつかります。横方向にはu倍進むことになり、u−1回壁にぶつかります。
従って、合計(t+u−2)回壁にぶつかります。
また、どの角にぶつかるかを考えてみましょう。
tが奇数のときはボールは上側の壁の上にあり、偶数のときは下側にあります。
また、uが奇数のときはボールは右側の壁の上にあり、偶数のときは左側にあります。従って、
1)tが奇数、uが偶数のとき、Aに到達
2)tが奇数、uが奇数のとき、Bに到達
3)tが偶数、uが奇数のとき、Dに到達
することが分かります。なお、sが最小公倍数なのでt,uは互いに素となり、ともに偶数となることはありません。
さて、設問(1)、(2)の場合にこの結果を適用してみましょう。
m=8,n=10ですから、m-1=7,n-1=9となり、最小公倍数は7×9=63となります。
さらに、t=63/7=9、u=63/9=7より壁にぶつかるのは、t+u−2=9+7−2=14回、またt=9,u=7ともに奇数ですからBに到達することになります。以上