第7問の解答
1.問題
7枚のカードがあり、それぞれのカードには1から7までの数字を書いてあります。
同じ数字はありません。さて、これらのカードを裏返して適当に並べました。
(1)これらのカードの数字を予想して、1枚も当たらない確率はいくらでしょうか?
(同じ数字を予想することはしないものとします。)
(2)カード枚数が多くなったとき、この確率はどうなるでしょうか?
2.解答例1(中村明海さん、Shinobuさん他)
(設問1)
漸化式を求めます。n枚を場所と数字がひとつも合わないように並べる場合の数を a(n)と書くことにします。(便宜上a(0)=1とします。)
a(1)=0、a(2)=1は明らかです。
n枚のとき、
・n枚合うのが nC0×a(0)通り
・n-1枚合うのが nC1×a(1)通り
・n-2枚合うのが nC2×a(2)通り
・n-3枚合うのが nC3×a(3)通り・・・、
n枚を並べる場合の数はn!なので、
一般に、a(n)=n!−Σ(i=0,n-1)nCi×a(i)が成り立ちます。これから、
a(3)=3!−(3C0×a(0)+3C1×a(1)+3C2×a(2))
=6−(1×1+3×0+3×1)=2a(4)=4!−(4C0×a(0)+4C1×a(1)+4C2×a(2)+4C3×a(3))
=24−(1×1+4×0+6×1+4×2)=9a(5)=5!−(5C0×a(0)+5C1×a(1)+5C2×a(2)+5C3×a(3)+5C4×a(4))=120−(1×1+5×0+10×1+10×2+5×9)=44
a(6)=6!−(6C0×a(0)+6C1×a(1)+6C2×a(2)+6C3×a(3)+6C4×a(4)+7C4×a(4)))
=720−(1×1+6×0+15×1+20×2+15×9+6×44)=265a(7)=7!−(7C0×a(0)+7C1×a(1)+7C2×a(2)+7C3×a(3)+7C4×a(4)+7C5×a(5)+7C6×a(6))
=5040−(1×1+7×0+21×1+35×2+35×9+21×44+7×265)=1854よって、求める確率は1854/5040=103/280
答:103/280
(設問2)
漸化式 a(n) = (n-1)(a(n-1) + a(n-2))・・(式1)が成り立つことを示します。
カードは 1,2,3,4,5,6,,,と並んでいるとします。
n-1枚までについて調べが済んでいるとして、n枚の場合を考えます。
n枚目が当たらないために、n枚目の答は1からn-1の、n-1通り
n枚目で答える数字をxとするとき、
(1) nをx枚目に答える場合が、a(n-2)通り
(2) nをx枚目以外で答える場合は、nのかわりにxと答えたときと同数でa(n-1)
通り。
都合、a(n) = (n-1)(a(n-1) + a(n-2))通り。次に、漸化式 a(n) = n・a(n-1) + (-1)^n・・(式2)を示します。
式1より、a(n)−n・a(n-1)=−(a(n-1)−(n-1)・a(n-2))
すなわち、a(n)−n・a(n-1)は、公比−1の等比数列。よって、a(n)−n・a(n-1)=(-1)^(n-1)×(a(1)−1・a(0))=(-1)^n
a(n) = n・a(n-1) + (-1)^n従って式2より、
a(n)/n! = a(n-1)/(n-1)! + (-1)^n/n!
求める確率 p(n)=a(n)/n!の一般項は、
p(n)=1−1+1/2!−1/3!+1/4!−1/5!+・・・+(-1)^n/n!
となります。exp(x)=1+x+1/2x2+1/3!x3+1/4!x4+1/5!x5+・・・+1/n!xn+・・・
よって、exp(−1)=1−1+1/2−1/3!x3+1/4!x4−1/5!x5+・・・+(-1)^n/n!+・・・
従って、p(n)はnが大きくなるとexp(−1)=1/eに収束することがわかります。
以上
3.解答例2(三好知之さん、清川育男さん、Asamiさん、たなかさん他)
解答例1の設問2で示した漸化式1を用いる。
a(3) = 2×(a(2) + a(1))=2×(1+0)=2
a(4) = 3×(a(3) + a(2))=3×(2+1)=9
a(5) = 4×(a(4) + a(3))=4×(9+2)=44
a(6) = 5×(a(5) + a(4))=5×(44+9)=265
a(7) = 6×(a(6) + a(5))=6×(265+44)=1854以下同様