第176問の解答 設問(2)
1.問題 [空間図形] 設問(2)
(2) さて、正四面体ABCDの全ての辺をそれぞれ両方向に2倍ずつ伸ばすと、全部で12個の点ができます。これらの12個の点を頂点とする立体(凸多角形)の体積は、もとの正四面体の体積の何倍でしょうか。
(注1)左図は、例として辺ABを両方向に2倍ずつ伸ばしてE、Fをとったところを示しています。当然EF=AB×3です。
2.解答例0
まず、求める立体がどんな形になるかを考えましょう。
底面BCDの各辺(長さを1とします)を伸ばしてみます。
底面BCD
全体図
底面BCDである正三角形を12個集めた形になります。
同様に、AB、AC、ADを伸ばしてみると、
一番上の面は、辺の長さが1の正三角形(BCDと同じ大きさ)
一番下の面は、辺の長さが2の正三角形(BCDが4個分)
BCDより上の側面は、辺の長さが2の正三角形が3個と辺の長さが1と2である長方形が3個
BCDより下の側面は、辺の長さが1の正三角形が3個と辺の長さが1と2である長方形が3個
からなることが分かります。
これを、各方向から見た図を見てみましょう。
平面図(上から見た)
側面図(右から見た)
(参考)マウスでドラッグして下さい。
立面図(前から見た)
俯瞰図(斜め上から)
3.解答例1(CRYING DOLPHINさん、中村明海さん他)
6個の長方形が実は互いに直交していることが分かります。
そこで、下図のように各長方形を面に含むような立方体を考えると、求める立体がこの立方体の各辺を1:2に分ける点を頂点としていることが分かります。
(参考)マウスでドラッグして下さい。
よって、この立方体の辺の長さは、元の正四面体(V0)がすっぽり入る立方体の辺の長さの3倍になっていることになります。
元の立方体の1辺の長さを1とします。
大きい立方体の体積=33=27=V0×81大きい立方体から切り取る、
小さい三角錘の体積=1/3×(1/2×12)×1=1/6=V0×1/2
大きい三角錘の体積=1/3×(1/2×22)×2=4/3=V0×4よって、求める立体の体積
=V0×81−(V0×1/2+V0×4)×4
=V0×81−V0×18
=V0×63従って、求める立体の体積は元の正四面体の体積の63倍となります。
答:63倍
4.解答例2(長野 美光さん)
底面BCDより上側と下側で2つに分解し、下側は、見やすくするために逆さにします。
上側
下側
元の正四面体の大きさを1(辺の長さ、高さ、面積、体積すべて1とみなす) とすると、
上側:
1辺4の正四面体(体積64)の1つの頂点から1辺2の正四面体(体積8)を
切り取り、さらに底面積1、高さ2の三角柱(体積6)を3つ切り取りとる
体積=64−8−3×6=38下側:
1辺5の正四面体(体積125)の1つの頂点から1辺4の正四面体(体積64)を
切り取り、さらに底面積4、高さ1の三角柱(体積12)を3つ切り取る
体積=125−64−3×12=25
になります。従って、求める体積は、38+25=63 となります。
5.解答例3(わかさひ君、中学への算数学コンさん、マサルさん他)
問題の立体の各面に対し、元の正四面体の頂点のうち近いものとを結んでできる立体を考える。
正三角形:正四面体(体積1)・・・4個
大正三角形:大正四面体(体積8)−正四面体(体積1)
=体積7・・・4個長方形:三角柱(高さ2×底面1×3=体積6)−正四面体(体積1)
=体積5・・・6個元の正四面体:体積1・・・1個
よって、合計=1×4+7×4+5×6+1=63 となります。
なお、長方形に対応する立体は、長方形を2分すると、
正八面体の半分×2個=正八面体(体積4)(設問1からの誘導)と
正四面体(体積1)
に分かれるので、合計体積=5と求めることも出来ます。
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