第212問の解答
1.問題 [場合の数]
A、B、C、D、E、Fさんの6人の名札があり、それぞれ中が見えない6つの袋の中に入っています。
いま、A〜Fさんの6人がそれぞれ1つの袋を選んで名札を取り出すとき、6人とも他人の名札に当たる場合は何通りありますか。(参考)「算数チャレンジャーに挑戦」第7問に類題があります。
2.解答例1(たなかさん、AЯOTさん、長野美光さん、すけさん、あまれっとさん、あんみつさん、他多数)
円順列(巡回順列)のパターンで場合分けします。
なお、A、B、・・、Fの替わりに番号1、2、・・、6で表すことにします。
・6個の円順列
5!=5×4×3×2×1=120通り・4個の巡回順列+2個の円順列
6C4×3!×1!=15×6×1=90通り・3個の巡回順列+3個の円順列
6C3/2×2!×2!=20/2×2×2=40通り・2個の巡回順列+2個の円順列+2個の円順列
6C2×4C2/3!×1!×1!×1!
=15×6/6=15通り合計120+90+40+15=265通り
答265通り
以上
3.解答例2
(萬田銀次郎さん、ταροさん、杉本未来さん、きょえぴさん、さとけんさん、ヒデー王子さん、出口さん、他多数)袋、名札の個数がnのとき袋と名札の番号が全て異なる場合の数をanで表し、anに関する漸化式を考えます。
1番目の袋には、m番目の名札(m≠1)の(n-1)通り。
(ア)1番目の札がm番目の袋に当たるとき
1、m番目を除くと、(n-2)個の袋、名札数で番号が異なる場合に該当するので、an-2通り。
よって、合計(n-1)×an-2通りになります。(イ)1番目の札がm番目以外の袋に当たるとき
1番目を除くと、(n-1)個の袋、人数で番号が異なる場合に該当するので、an-1通り。
よって、合計(n-1)×an-1通りになります。(ア)、(イ)より、
an=(n-1){an-2+an-1} ・・・ (1)
となります。a1=0、a2=1、より、(1)の漸化式を用いてanを順次求めると、
a3=2、a4=9、a5=44、a6=265 を得ます。
4.解答例3(ヒデー王子さん、B2さん、他)
n個の袋、名札で全ての入れ方をN 、
袋と名札の番号が、少なくともm個は一致する入れ方をNmなどとあらわすことにします。組み合わせの包除原理により、全ての袋と名札の番号が異なる入れ方anは、重複して引いてしまう部分を差し引きしていくと、
an=N−N1+N2−N3+N4−・・・・ +(-1)nNn
となります。
N=n!、および
Nmについては、一致する1枚の選び方がnCm通り、残りの並べ方が(n-m)!通りなので、Nm=nCm×(n-m)!=n!/m!通り。
従って、
an=n!−n!+n!/2!−n!/3!+n!/4!−・・・・ +(-1)nn!/n!
=n!/2!−n!/3!+n!/4!−・・・・ +(-1)nn!/n! ・・・(2)
となります。
本問では
a6=6!−6!+6!/2!−6!/3!+6!/4!−6!/5!+6!/6!
=360-120+30-6+1
=265 通り。(参考)漸化式(1)より、一般式(2)を得る方法
(1)より、bn=an/n!とおくと、
n!bn=(n-1){(n-2)!bn-2+(n-1)!bn-1}
n!bn=(n-1)!bn-2+(n-1)(n-1)!bn-1
nbn=bn-2+(n-1)bn-1
n(bn−bn-1)=−(bn-1−bn-2)
bn−bn-1=−(bn-1−bn-2)/n
=(−1)2(bn-2−bn-3)/n・(n-1)=・・・
=(−1)n-2(b2−b1)/n・(n-1)・・3
=(−1)n(1/2!−0/1!)/n・(n-1)・・3
=(−1)n/n!よって、
bn=b1+Σk=2..n(bk−bk-1)
=Σk=2..n(−1)k/k!
=1/2!−1/3!+1/4!−・・・・ +(-1)n/n!
従って、
an=n!/2!−n!/3!+n!/4!−・・・・ +(-1)nn!/n!さて、bnは、全ての袋と名札の番号が異なる確率となるが、
n→∞のとき、bn=1/2!−1/3!+1/4!−・・・・ +(-1)n/n!→1/e
となります。
なんとならば、exのマクローリン展開により、
ex=limn→∞{1+x/1!+x2/2!+x3/3!+x4/4!+・・・・ +xn/n!}
x=-1を代入すると、
e-1=limn→∞{1-1/1!+1/2!-1/3!+4/4!+・・・・ +(-1)n/n!}(中村明海さん、武田浩紀さん、まるケンさん)