第229問の解答
1.問題 [平面図形]
左図のような、 AB=9cm、BC=5cm、CA=6cmの△ABCがあります。
いま、辺BC上にBD:DC=1:2となる点Dをとります。
さらに、∠BAD=∠CAEとなるような点Eをとります。
このとき、ECの長さを求めてください。
2.解答例1(マサルさん、他)
DからCAに平行に引いた直線とBAの交点をF、
EからBAに平行に引いた直線とCAの交点をG、
とします。FDとACが平行より、△FBD∽△ABCで、
相似比はBD:BC=1:3。
よって、FB=AB/3=3cm、FD=AC/3=2cm。ABとGEが平行より、∠FBD=∠GEC、
FDとACが平行より、∠FDB=∠GCE。
よって、△FBD∽△GEC。
GE:GC=FB:FD=3:2。・・(1)∠FAD=∠GAE、∠AFD=∠AGEより、
△FAD∽△GAE。
よって、GE:AG=FD:AF=2:6=3:9。・・(2)(1)、(2)より、AG:GC=9:2。
ABとGEが平行より、△ABC∽△GEC。
よって、BE:EC=AG:GC=9:2。従って、EC=BC×2/11=5×2/11=10/11cm。
答:10/11cm以上
3.解答例2(あやのりんさん、萬田銀次郎さん、ヒデー王子さん、トトロ@Nさん、YokoyaMacさん、糸瀬善人さん、ありっちさん、長野美光さん、他多数)
AB上にAF=6cmとなる点Fを、
ACの延長線上にAG=9cmとなる点Gをとります。
また、AEの延長線とFGの交点をHとします。AB=AG=9cm、AC=AF=6cm、
∠BAGは共通より、△ABC≡△AGF。
よって、∠ABC=∠AGF。また、∠BAD=GAH、AB=AG。
よって、△ABD≡△AGH。
従って、BD=GH、DC=HF。GH:HF=1:2、GC:CA=3:6=1:2。
よって、△GCH∽△GAF。
従って、CH=AF×1/3=2cm。CHとAFが平行より、△CFE∽△BAE。
BE:EC=AB:CH=9:2。従って、
EC=BC×2/11=5×2/11=10/11cm。
4.解答例3(dragon-kさん、他)
DからACに平行線を引き、ABとの交点をF、
CからAEに平行線を引き、BAの延長線との交点をG、
AからBCに平行線を引き、CGとの交点をHとします。FDとACが平行より、△FBD∽△ABC。
FB=AB×1/3=3cm、AF=6cm、
FD=AC×1/3=2cm。AEとGCは平行より、
∠ACG=∠CAE=∠FAD、
FDとACが平行より、∠AFD=∠CAG、
さらに、AF=CA=6cm、
よって、∠AFD≡∠CAG。
従って、AG=FD=2cm。AHとBCが平行より、△GAH∽△GBC。
AH:BC=GA:GB=2:11。よって、
AH=BC×2/11=5×2/11
=10/11cm。AHとECが平行、AEとHCが平行より、
四角形AECHは平行四辺形。
よって、EC=AH=10/11cm。
5.解答例4(澪桜葵美翔さん、他)
解答例2と同様に、AB上にAF=6cmとなる点Fを、
ACの延長線上にAG=9cmとなる点Gをとります。
また、AEの延長線とFGの交点をH、FCとの交点をI、
BGとの交点をJとします。△AFCと△ABGは相似な二等辺三角形。
よって、FCとBGは平行。△AIC∽△AJG、
よって、IC:JG=AC:AG=6:9=2:3。・・(1)対象性より、GH:HF=BD:DC=1:2。
△HJG∽HIF、
よって、JG:FI=1:2=3:6。・・(2)△AFI∽△ABJ。
FI:BJ=AF:AB=6:9。・・(3)(1)、(2)、(3)より、IC:BJ=2:9。
△ICE∽△JBE、
よって、BE:EC=BJ:IC=9:2。従って、
EC=BC×2/11=5×2/11=10/11cm。
6.解答例5(沢井ねむ・るさん、他)
AB上にBF=6cmとなる点Fを、
CからAFと平行に引いた直線と、FからACに引いた直線の交点をG、そしてAEの延長とCGの交点をHとします。AFとCGは平行、ACとFGは平行より、
四角形AFGCは平行四辺形。
従って、CG=AF=18cm、FG=AC=6cm。∠AFG=∠ACH、∠FAG=∠CAH、
よって、△FAG∽△CAH。
従って、CH=AC×FG/AF=6×6/18=2cm。ABとCHが平行より、△ABE∽△HEC、
よって、BE:EC=AB:HC=9:2。従って、
EC=BC×2/11=5×2/11=10/11cm。
7.解答例6(みずなぎさん、他)
BからAD、 AEにそれぞれ垂線を引き、足を、H、I、
CからAE、ADにそれぞれ垂線を引き、足をJ、K
とします。BHとCKは、ともにAHと垂直だから平行、
よって、△DBH∽△DCK、
従って、BH:CK=DB:DC=1:2=3:6。・・(1)∠BAH=∠CAJ、∠AHB=∠AJC=90°、
よって、△ABH∽△ACJ。
従って、BH:CJ=AB:AC=9:6=3:2。・・(2)∠BAI=∠CAK、∠AIB=∠AKC=90°、
よって、△ABI∽△ACK。
従って、BI:CK=AB:AC=9:6。・・(3)(1)、(2)、(3)より、BI:CJ=9:2。
BIとCJは、ともにAIと垂直だから平行、
よって、△EBI∽△ECJ、
よって、BE:EC=BI:CJ=9:2。従って、
EC=BC×2/11=5×2/11=10/11cm。
8.解答例7(げんさん、他)
辺AB上にAF=4cmとなる点Fをとり、
CFとAE との交点をGとします。△ABCと△ACFについて、
∠BACは共通で、AB:AC=AC:AF=3:2。
よって、△ABC∽△ACF。∠CAG=∠BADより、
CG:GF=DB:DC=1:2。△FBCと直線AEに関してメネラウスの定理より、
(FA/AB)・(BE/EC)・(CG/GF)=1、
(4/9)・(BE/EC)・(1/2)=1
よって、BE:EC=9:2。従って、
EC=BC×2/11=5×2/11=10/11cm。
9.解答例8(ET2世さん、他)
DからABに平行な直線を引き、ACとの交点をFとします。
ABとFDは平行だから、△ABC∽△FDC。
よって、AF:FC=BD:DC=1:2。
AF=AC×1/3=2cm、FC=4cm、
FD=AB×2/3=6cm。次に、CよりABに平行に直線を引き、CG=2cmとなるよう点Gをとります。
ABとCGは平行より、∠AFD=∠GCA。
AF=GC=2cm、DF=AC=6cm、
よって、△ADF≡△GAC。このとき、∠GAC=∠ADF=∠BAD=∠EAC、
よって、A、E、Gは一直線上にあります。ABとCGは平行より、△ABE∽△GCE、
よって、BE:EC=AB:GC=9:2。従って、
EC=BC×2/11=5×2/11=10/11cm。
10.解答例9(高橋道広さん、他)
AB上にAG=6となる点Gをとり、
ACの延長線上にAF=9となる点Fをとります。
図1
図2
BCとFGの交点をHとすると、AHは∠BAGの二等分線となります。すると、角の二等分線に関する定理より、BD:DH=5:4となります。
従って、AEとFGの交点をIとすると、GI:IH=BD:DH=5:4。△HGCと直線AIに関してメネラウスの定理より、
(HE/EC)・(CA/AG)・(GI/IH)=1、
(HE/EC)・(6/9)・(5/4)=1、
よって、HE:EC=6:5。従って、
EC=HC×5/11=2×5/11=10/11cm。
11.解答例10(ヘロン久野さん、他)
AB上にAF=6cmとなる点Fを、
ACの延長線上にAG=9cmとなる点Gをとります。
ADの延長線とBGとの交点をH、FCの交点をI、
AEの延長線とBGとの交点をJ、FCとの交点をK
とします。△ABGはAB=AGの二等辺三角形となり、FCとBGは平行。
よって、AF:FB=AC:AG=6:3=2:1。
従って、△AFI∽△ABH。
FI:BH=2:3。・・・(1)△BAH≡△GAJより、FI=KC、BH=JG、
KC:JG=2:3。・・・(2)FCとBGは平行より、△DBH∽△DCI。
よって、BH:CI=BD:DC=1:2=3:6。
(1)、(2)より、
FI:IK:KC=2:4:2、BH:HJ:JG=3:6:3。また、△EBJ∽△ECK、
よって、BE:EC=BJ:CK=9:2。従って、
EC=BC×2/11=5×2/11=10/11cm。
12.解答例11(武田浩紀さん、他)
(補題)AB2:AC2=BD・BE:CD・CE。
これは、解答例6とほぼ同様にして証明できますが、次のように考えてみましょう。
(あまれっとさんの解法とほぼ同様)AからBCに下ろした垂線の足をH、
∠BAD=∠CAE=α、∠BAE=∠CAD=βとすると、
△BAD=1/2・AB・AD・sinα=1/2・BD・AH
・・(1)
同様に、
△CAE=1/2・AC・AE・sinα=1/2・CE・AH
・・(2)
△BAE=1/2・AB・AE・sinβ=1/2・BE・AH
・・(3)
△CAD=1/2・AC・AD・sinβ=1/2・CD・AH
・・(4)(1)×(3)より、
AB2・AD・AE・sinα・sinβ=BD・BE・AH2 ・・(5)
(2)×(4)より、
AC2・AD・AE・sinα・sinβ=CD・CE・AH2 ・・(6)(5)、(6)より、
AB2:AC2=BD・BE:CD・CE。補題より、
AB2:AC2=BD・BE:CD・CE
92:62=1・BE:2・CE.
よって、BE:CE=9:4/2=9:2。従って、
EC=BC×2/11=5×2/11=10/11cm。
(参考)他に、数学的な解法としては、
三平方の定理を用いて、2次方程式を解く ・・・ うっしーさん
余弦定理を用いてAE、CEを連立方程式で解く ・・・ ハラギャーテイさん
tanの加法定理を用いて解く ・・・ noetherさん
余弦定理、正弦定理、正弦の加法定理を用いて解く ・・・ M.Hossieさん
ベクトルの内積を用いて解く ・・・ 有無相生さん
がありました。ちなみに、私自身はM.Hossieさんと全く同様に解きました。
数学的には、ごく素直な解法だと思います。