第286問の解答
問題 [平面図形]
上の図は、あるフタのない立体Vの展開図です。
図中にある△PQRは正三角形で、各辺の長さの比は図にある通りになっています。
また、図中の●印(二重丸)の角度はすべて60度です。
いま、辺PRの中点をア、PQを2:1に分ける点をイ、RQを2:1に分ける点をウとします。
さらに、四角形APRF、PBCQ、RQDEの対角線の交点をそれぞれエ、オ、カとします。
この立体を組み立てたとき(PQ、QR、RPが折り目です)、立体アイウ−エオカの体積は、立体Vの体積の何倍でしょうか。
解答例1
(トトロ@Nさん、うっしーさん、C-Dさん、長野美光さん、ミミズクはくず耳さん、Taroさん、角田(^^)v鉄也さん、きょえぴさん、高橋道広さん、モルモット大臣さん、ふじさきたつみさん、M.Hossieさん、有無相生さん、さとけんさん、他多数)[立体Vの体積]
まず、立体Vの体積を求めましょう。
辺AB、CD、EFをそれぞれ延長して交わる点をS、T、Uとします。
●印の角度が全て60度であることから、△SPR、△PTQ、△RQUは全て△PQRと合同な正三角形となります。
従って、立体Vは△PQRを底面とする正四面体から頂点が同じ三角錐を除いたものとなります。
平面の場合を図1で考えると、△APQ/△ABC=AP/AB×AQ/AC。
なぜなら、△APCと△ABCは高さがCHで共通、底辺の長さはAP:AB、
よって、△APC/△ABC=AP/AB。同様に、△APQ/△APC=AQ/AC。
従って、△APQ/△ABC
=(△APC/△ABC)×(△APQ/△APC)
=AP/AB×AQ/AC。図2で、三角錐OPCR/三角錐OPQR=OC/OQ ・・・(1)
が成り立ちます。なぜなら、三角錐OPCRと三角錐OPQRは高さがRHで共通、
底面の面積は△OPC:△OPQ=OC:OQだからです。同様に、
三角錐OACR/三角錐OPCR=OA/OP、・・・(2)
三角錐OACE/三角錐OACR=OE/OR。・・・(3)(1)×(2)×(3)より、
三角錐OACE/三角錐OPQR=OA/OP×OC/OQ×OE/OR ・・・(4)よって、三角錐OPQRの体積を1とすると、
三角錐OACEの体積
=OA/OP×OC/OQ×OE/OR
=3/6×4/6×3/6
=1/2×2/3×1/2
=1/6従って、立体Vの体積=1−1/6=5/6。 ・・・(1)
[立体アイウ−エオカの体積]
Sエの延長とPRの交点をア’、Tオの延長とPQの交点をイ’、Uカの延長とQRの交点をウ’とします。
ア’、イ’、ウ’は実はア、イ、ウと一致します。
なぜなら、△SPRでチェバの定理より、
(SA/AP)×(Pア’/ア’R)×(RF/FS)=1
よって、
3/3×(Pア’/ア’R)×3/3=1
従って、Pア’/ア’R=1となり、ア’はPRの中点、よってアと一致します。同様に、△TQPでチェバの定理より、
(TC/CQ)×(Qイ’/イ’P)×(PB/BT)=1
よって、
4/2×(Qイ’/イ’P)×3/3=1
従って、Qイ’/イ’P=2:4となり、Qイ’=2cm、よってイと一致します。△UQRは△TQPと合同なので、ウ’もウと一致することが分かります。
また、チェバの定理の補題により、
Sエ/エア=SA/AP+SF/FR=3/3+3/3=2/1
Tオ/オイ=TB/BP+TC/CQ=3/3+4/2=3/1
Uカ/カウ=UD/DQ+UE/ER=4/2+3/3=3/1さて、△アイウの底辺の長さは、イウ=PR×1/3
また、高さ=△PQRの高さ×2/3
よって、△アイウの面積
=△PQRの面積×1/3×2/3
=△PQRの面積×2/9従って、三角錐O−アイウの高さは、正四面体O−PQRの高さと共通だから、体積は底面の面積比=2/9。
あとは、立体Vの体積と同様にして、
立体アイウ−エオカの体積
=(三角錐O−アイウ)×(1-2/3×3/4×3/4)
=2/9×5/8
=5/36 ・・・(2)従って、
立体アイウ−エオカの体積/立体Vの体積
=(5/36)/(5/6)
=1/6倍
となります。[参考1]動く3D図
[参考2]チェバの定理
(チェバの定理)
Rを三角形の内部の点とし、ARの延長と辺BCの交点をP、ARの延長と辺BCの交点をP、BQの延長と辺CAの交点をQ、CRの延長と辺ABの交点をMとす ると、次式が成り立つ。
(AM/MB)・(BP/PC)・(CQ/QA)=1(証明)
s1=△ABR、s2=△BCR、s3=△CARとします。
△ABP:△APC=△RBP:△RPC=BP:PC。
よって、s1:s3=(△ABP−△RBP):(△APC−△RPC)=BP:PC。
・・・ (1)同様に、
s2:s1=CQ:QA ・・・ (2)、 s3:s2=AM:MB ・・・ (3)(3)×(1)×(2)より、
(AM/MB)・(BP/PC)・(CQ/QA)=(s3/s2)・(s3/s2)・(s3/s2)=1(補題)
左図で、次式が成り立つ。
AR/RP=QA/CQ+AM/MB、
BR/RQ=MB/AM+BP/PC、
CR/RM=PC/BP+CQ/QA
(証明)
AR/RP=△ABR/△RBP=s1/(s2×BP/BC)、
AR/RP=△ARC/△RPC=s3/(s2×PC/BC)。よって、
(AR/RP)×(BP/BC)+(AR/RP)×(PC/BC)
=s1/s2+s3/s2
従って、
AR/RP
=s1/s2+s3/s2
=QA/CQ+AM/MB他も同様。
答:1/6倍
以上
(その他の解法)
・正四面体・三角錐から小さい三角錐を切り取る ・・・ あんみつさん他
・ルートを使って両方の体積を計算 ・・・ まおさん他