第137問の解答
1.問題 [場合の数、最短距離]
左図のように、長さの等しい24本のひごを使って組み立てられた立体があります。
このひごをたどってPからQまで遠回りをせずに進むとき、その通り方は全部で何通りありますか?
2.解答例1[数え上げ](溝部光洋さん、うっしーさん、シイサンさん、長野美光さん、他)
1面だけだと数え上げも比較的簡単で、6通りあることが分かります。
でも、経路数が多いときや、本問のように立体になると、数え間違いが生じてきます。
そこで、次のような各格子点を通過する場合の数を数えていく方法にすると、確実です。
まず、出発点では1通りです。
次の格子点では、最初の点からの経路しかないので、やはり1通り。さらに、次の点のうち、頂点まではあいかわらず経路は1本で1通り、
真ん中の点は2個所から合流するので1+1=2通り。
次の点では、頂点からと真ん中からが合流するので、1+2=3通り。
最後の点では、2個所から合流し、3+3=6通りとなります。同様に、本問では、Pを含む3つの面は、上記同様に計算できます。
Pを含まない面の中央の格子点では、3+3=6通り、
Qの1歩手前の点では、6+6+6=18通り、
Qでは、18+18+18=54通りとなります。(参考)マウスでドラッグして下さい。
(Sキーをおすと、ステレオ画像になります)
答:54通り
以上
3.解答例2[順列・組み合わせによる計算1]
(ταροさん、杉本未来さん、長野美光さん、トトロ@Nさん、むらかみさん、okaokaさん、有無相生さん、井合宗太郎さん、他多数)平面の場合、一般に縦m×横nの最短経路はm+nCmになります。(参考)
従って、2×2のときは、4C2=4!/(2!・2!)=4・3・2・1/(2・1・2・1)=6通り。
もし、立体の中央の点も通ること許すと、2×2×2の最短経路となります。そこで、この数え方を、次のように考えます。
3方向×2=6個の進む方向を並べ替える6!通りの経路で、各方向については2個の進む方向の並べ替え2!通りが重複しているため、求める経路数は、
6!/(2!・2!・2!)
=6・5・4・3・2・1/(2・1・2・1・2・1)
=90通り
となります。この中で、中央の点Mを通る最短経路は、下図のようにP→M、M→Qの1×1×1が2回の最短経路となるので、3!/(1!・1!・1!)=6通りの2乗、すなわち6×6=36通りあります。
よって、求める経路数は、90−36=54通りとなります。
4.解答例3[順列・組み合わせによる計算2](中村明海さん、他)
P、Qを含まない辺の中点は、下図のようにA、B、C、D、E、Fの6個所あります。P →A→Qは、それぞれ2×1の最短経路なので3!/(2!・1!)=3通りの2乗、すなわち3×3=9通りあります。
P→B→Q、・・・、P→F→Qも同様に9通りなので、
合計9×6=54通りとなります。
5.解答例4[順列・組み合わせによる計算3](大岡敏幸さん、他)
P→Qの最短経路は、Pを含む3つの面(PACB、PADE、PBFE)と、Qを含む3つの面(QFBC、QFED、QDAC)のうち、それぞれ1面ずつを通ることになります。面の選び方は、3C1×3C1=9通りありますが、そのうち共通点を含まない、相対する2面の組み合わせの3通りを除くと合計6通りになります。
それぞれは、例えばPACBとQFBCならPAQFの4×2の最短経路となるので、6!/(4!・2!)=6・5・4・3・2・1/(4・3・2・1・2・1)=15通り。
合計15×6=90通りになります。ただし、これらの中には上記(PACBとQFBC)および(PBFEとQFBC)のように各面を共通とする組み合わせ6通りが含まれます。
この場合、P→B→Qの経路(P→Bは1通り、B→Qは2×2の最短経路=6通り)は重複して数えています。従って、合計6×6=36通りが重複して数えていることになるので、
結局求める最短経路数は、90−36=54通りとなります。