第123問の解答


1.問題 [整数の性質・覆面算

下記の数字は、999でも99でも割り切れる9桁の整数だったのですが、一部が読みとれなくなっています。この整数を復元してください。

314■■92■■


2.解答例1(Taroさん、わかさひ君、ヒデー王子さん、まるケンさん、数楽者さん、他多数)

(補題) a,p,nを正整数とすると、
  anpn+an-1pn-1+・・・+a1p+a0≡an+an-1+・・・+a1+a0 (mod p-1) ・・(1)
  
記号の意味:両辺を、それぞれp-1で割った余りは等しい。 (参考 算チャレ122問)

(証明)
 p-1≡0 (mod p-1)
より、p≡1 (mod p-1、以下略)
 ap≡a、a2p≡ap≡a、a3p≡a2p≡ap≡a、・・・
 以下同様にして、apn≡a

よって、anpn≡an、an-1pn-1≡an-1、・・・、a1p≡a1、a0≡a0
辺々加えて、(1)を得る。

(補題の適用)
 p=10のとき、anan-1・・・a1a0≡an+an-1+・・・+a1+a0(mod 9)
 p=100のとき、anan-1・・・a1a0≡anan-1+・・・+a1a0(mod 99) (ここではn:偶数と仮定)
 
p=1000のとき、anan-1an-2・・・a2a1a0≡anan-1an-2+・・・+a2a1a0(mod 999) 
 
(ここではn:3の倍数と仮定)

すなわち、の倍数なら各桁の和、99の倍数なら2桁ごとの和、999の倍数なら3桁ごとの和
を調べれば良いことになります。

問題の整数をn=314ab92cdとおきます。

補題を適用すると、
 n≡314+ab9+2cd≡0(mod 999)   ・・・ (2)
 
n≡3+14+ab+92+cd≡0(mod 99) ・・・ (3)
を得ます。

(2)で、314+ab9+2cd<314+999+299<1998
よって、314+ab9+2cd=999、ab0+cd=476
従って、d=6b+c=7or17、a=4or3

(3)で、99<3+14+30+92+063+14+ab+92+cd
 および、3+14+ab+92+cd<3+14+49+92+96<297
よって、3+14+ab+92+cd=198、 ab+c0=83
従って、b=3、c=4、a=4となります。

答:314439246

以上

(参考)99の替わりに11の倍数かどうかを判定するには、
  3+4+b+2+d1+a+9+cの差が11の倍数を調べればよい。(Taroさん)
  これは、10≡-1(mod 11)より、102≡1,103≡-1等より
  314ab92cd=3・108+1・107+4・106+a・105+b・104+9・103+2・102+c・10+d
  ≡3-1+4-a+b-9+2-c+d≡0(mod 11) 
より得られます。


3.解答例2(中村明海さん他)

求める数を n = 314009200 + 10000a +b とする。 
(ただし、a, b 0 から 99 の整数) 

(1) 99 で割り切れる

314009200≡10 (mod 99)、10000≡1 (mod 99)、
よって、n≡10 + a + b≡0 (mod 99) 
従って、a + b = 89 または a + b = 188・・・(1)

(2) 999 で割り切れる 

314009200≡523 (mod 999)、10000≡10 (mod 999)、
よって、n≡523 +10 a + b≡0 (mod 999) 
従って、 10a + b = 476・・・(2)

(3) (1)と(2)より 

 a + b = 89, 10a + b = 476 なら、a = 43, b=46 ) 
 a + b = 188, 10a + b = 476 なら、a = 32, b=156不適) 

答 314439246 


4.解答例3(パリンさん他)

求める数を n=314ab92cd= pqrstu×999 とする。 

参考図1

p=3、q=1、r=5or4、s=7が分かります。

参考図2

r=4、u=4と分かります。

参考図3

よって、n=314ab92c6=3147t4×999 となります。
 999=990+9 より、
 n=3147t4×990+3147t4×9
は、99の倍数でもあることから、3147t411の倍数。

よって、3+4+t−(1+7+4)=t−511の倍数。
従って、t=5

以上から、n=314754×999=314439246


5.解答例4(多数) 計算で求める方法

(アプローチ1)
 99999の最小公倍数は、37×27×11=10989なので、
 n=314ab92cd10989×p

 314009200≦n≦314999299
 314009200/10989=28574.86
 314999299/10989=28664.96
より、
 28575≦p≦28664

 あとは、10989×pをひたすら計算して結果が、314ab92cdのパターンに
 なるものを求めると、p=28614を得るので、
  n=28614×10989=314439246

このアプローチで解いた方は、
 杉本未来さん、Hamayanさん、ありっちさん、Taroさん、小太りおじさん
 しゅうさん、C-Dさん、井合宗太郎さん、吉川マサルさん、ハラギャーテイさん、
 まるケンさん、うっしーさん、紫ママさん、巷の夢さん

また計算方法は、電卓、EXCEL、VB、BASIC、Perl、Mathematica等さまざまでした。

(アプローチ2)
  n=314009200+a×10000+b(0≦a、b≦99)とおき、
  a、bについて全ての組み合わせを計算し、nが999および99の倍数となるものを
  求める。

このアプローチで解いた方は、
 わかさひ君中村明海さん、永弘さん、柚奇神太郎さん

また計算方法は、Perl、UBASIC、Mathematica等でした。