第2問(1)の解答


1.問題

問題図

(1)7個おもりがあります。重さは、1g、3g、9g、27g、81g、243g、729gです。天秤とこれらのおもりを利用して1gから1093gまでの連続した整数に対する重さの全てをはかることができます。このことを説明して下さい。

(2)777gをはかるには、天秤おもりをどのように載せればよいでしょうか


2.設問(1):解答例1(三好知之さん他

帰納法的に考えてみましょう。

おもりが1個のとき1gを量ることができます。

2-1-1.gif (638 バイト)

おもりが2個になったとき2〜4gを量ることができます。

2-1-2.gif (717 バイト)
1gを右に載せることで3−1=2gを量ることができる。
2-1-3.gif (641 バイト)
3gを量ることができる。
2-1-4.gif (717 バイト)
1gを左に載せることで3+1=4gを量ることができる。


おもりが3個になったとき:5〜13gを量ることができる。

・1〜4gまでの量り方と逆の載せ方にし、9gを左に載せる。
   9−4=5g〜9−1=8gを量ることができる。
・9gを左に載せる。
   9gを量ることができる。
・1〜4gまでの量り方と同じにし、9gを左に載せる。
   9+1=10g〜9+4=13gを量ることができる。

おもりが4個になったとき:14〜40gを量ることができる。

・1〜13gまでの量り方と逆の載せ方にし、27gを左に載せる。
   27−13=14g〜27−1=26gを量ることができる。
・27gを左に載せる。
   27gを量ることができる。
・1〜13gまでの量り方と同じにし、27gを左に載せる。
   27+1=28g〜27+13=40gを量ることができる。

おもりが5個になったとき:41〜121gを量ることができる。

・1〜40gまでの量り方と逆の載せ方にし、81gを左に載せる。
   81−40=41g〜81−1=80gを量ることができる。
・81gを左に載せる。
   81gを量ることができる。
・1〜40gまでの量り方と同じにし、81gを左に載せる。
   81+1=82g〜81+40=121gを量ることができる。

おもりが6個になったとき:122〜364gを量ることができる。

・1〜121gまでの量り方と逆の載せ方にし、243gを左に載せる。
   243−121=122g〜243−1=242gを量ることができる。
・243gを左に載せる。
   243gを量ることができる。
・1〜121gまでの量り方と同じにし、243gを左に載せる。
   243+1=244g〜243+121=364gを量ることができる。

おもりが7個になったとき:365〜1093gを量ることができる。

・1〜364gまでの量り方と逆の載せ方にし、729gを左に載せる。
   729−364=365g〜729−1=728gを量ることができる。
・729gを左に載せる。
   729gを量ることができる。
・1〜364gまでの量り方と同じにし、729gを左に載せる。
   729+1=730g〜729+364=1093gを量ることができる。

以上


3.設問(1):解答例2(中村明海さんによる

(補題)
1≦X≦1093に対して、
  X=A0+A1×31+A2×32+A3×33+A4×34+A5×35+A6×36
と表せる。ただし、A0、・・、A6=−1,0,1のいづれかとする。

X1=1+1×31+1×32+1×33+1×34+1×35+1×36=1093、
X2=2+2×31+2×32+2×33+2×34+2×35+2×36=2096とおく。

Y=X+X1とすると、1094≦Y≦X2となる。
Yを3進数で表し、
  Y=B0+B1×31+B2×32+B3×33+B4×34+B5×35+B6×36
とする。ただし、B0、・・、B6=0,1,2である。

このとき、
X=Y-X1
   =(B0+B1×31+B2×32+B3×33+B4×34+B5×35+B6×36)−
   (1 +1×31 +1×32 +1×33 +1×34 +1×35 +1×36
 =((B0-1)+(B1-1)×31+(B2−1)×32+(B3−1)×33+(B4−1)×34+(B5−1)×35+B6×36

よって、A0=B0-1、・・、A6=B6-1とおけば、A0、・・、A6=−1,0,1となり、
  X=A0+A1×31+A2×32+A3×33+A4×34+A5×35+A6×36
となる。

(補題の証明終わり)

さて、1≦X≦1093に対して、補題より
 X=A0+A1×31+A2×32+A3×33+A4×34+A5×35+A6×36
と表せる。ただし、A0、・・、A6=−1,0,1のいづれか。

このとき、0≦n≦6に対して、Anが
   −1であれば3nのおもりを左の天秤に載せる、
    0であれば3nのおもりはどの天秤にも載せない、
   +1であれば3nのおもりを左の天秤に載せる
ことにすれば、Xgを量ることができる。

以上


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