第214問の解答
1.問題 [空間図形]
左の図1は、部品Aと部品Bでできたある立体の展開図です。
図2のように、部品Aを4つ使って正方形を作ると、その面積は4.5cm2となるそうです。
また、図1にもある通り、部品Aを6つ用いて作った正六角形と、部品Bを6つ用いて作った正六角形を比較すると、面積比が3:1となっています。
では、図1の展開図を組み立てて出来る立体の体積は何cm3でしょうか。
2.解答例1(まろやさん、うっしーさん、ταροさん、ありっちさん、ふきゅさん、長野美光さん、noetherさん、糸瀬善人さん、萬田銀次郎さん、M.Hossieさん、dragon-kさん、kazuyoさん、大沢幸一さん、mhayashiさん、他多数)
まず、求める立体の図を考えてみます。
部品Aの長さをa、部品Bの長さをbとすると、上図のように、
底面:1辺の長さがaの正六角形
頂面:1辺の長さがbの正六角形
側面:1辺の長さがaの正三角形、辺の長さがa、a、bの二等辺三角形
から成り立ちます。
ただし、b=a/√3、a=√(9/2)=3/√2。これをケーキのように6分の1をスライスします。
立体の高さをhとすると、hは斜辺a、底辺bの直角三角形の1辺となるので、
h2=a2−b2、b=a/√3、よりh=a×√6/3となります。
さらに、これを
V1:底面が1辺bの正三角形からなる三角柱
V2:底面が1辺bの正三角形からなる三角柱を切断したもの
V3、V4:底面がb、b/2、a/2の直角三角形からなる三角錐
に分割する。そして、V3、V4を移動して、V2の上に載せたものをV3'、V4'とすると、V2、V3'、V4'を合わせた立体はちょうどV1と同じ大きさの三角柱となります。
従って、求める立体の体積Vは、V1の体積の12倍になります。
V=(1/2×b×√3/2×b)×h×12
=√3/4×b2×a×√6/3×12
=3√2×a3/3
=√2×(3/√2)3
=27/2cm3 となります。答 27/2cm3
以上
3.解答例2(ταροさん、沢井ねむ・るさん他)
第131回問題、第156回問題が参考になります。
対角線の長さが2aとなる正方形の長さをcとし、1辺の長さがcの正六面体の各中点を結んで下図のような立体を考えます。
この立体の体積をV1とします。
c2=2a2=9より、c=3cm。この立体は、ほとんど求める立体に近く、下図のような四角錐3個を加えると、求める立体になります。
(参考:動く立体図)
V1は、立方体の半分からV2を4個除いたもので、求める立体はV1にV3を3個加えたものになります。
V2は、底面が1辺c/2の二等辺三角形で、高さc/2の三角錐。
よって、
V2=1/2×(c/2)2×(c/2)×1/3
=c3×1/48。V3は、底辺が1辺aの正方形で、高さはV2の高さの1/3。
よって、
V3=a2×(c/2)×1/3×1/3
=c2×1/2×(c/2)×1/3×1/3
=c3×1/36。従って、V3=V2×4/3。
求める立体の体積
=c3/2-V2×4+V3×3
=c3/2
=27/2cm3 となります。
4.解答例3(イデムリンさん、ヒデー王子さん、トトロ@Nさん、祝いビルさん、他)
1辺がaの正四面体を6つならべ、各頂点を結ぶと求める立体になります
解答例1と同様にして、求める立体の体積は、1辺がbの六角柱の2倍、すなわち1辺がaの六角柱の2/3倍になります。
d=c/2とすると、正四面体の体積は、1辺dの立方体の体積の1/3=d3/3。
(d3-d3/6×4=d3/3)正四面体と底面を共通にする三角柱の体積は、その3倍=d3。
よって、求める立体の体積
=d3×6×2/3
=(3/2)3×4
=27/2cm3。